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夏の名残りと冬の使者
10月24日、堀之内沖ノ谷戸公園の参道沿いの草刈りを実施しました。ずっと後回しにして しまっていた、展望台下のクチナシグサ群落も選択的草刈りを行いました。ススキは少し 塊で残して虫たちの退避場所を確保したので、生きものの拠り所になるかもしれません。 作業車両で堀之内東山はぐくみの森緑地を通りがかった際、車の目の前に小鳥が飛び出して きました。ロープ柵に止まった姿を確認するとジョウビタキでした。この辺りでは冬鳥の ジョウビタキですが、先週くらいから続々と渡来情報が届き、私自身も確認していました。 車を降りて証拠写真を撮っていると、今度は別の雌と雄3羽が次々に飛来し、小さな群れで 動いていることに気付きました。ジョウビタキは渡来して間もなく単独で縄張りを確保する 習性があるので、複数個体が一緒にいるのは珍しい光景です。おそらくまだ渡りの途中で、 これからさらに南下する個体群が立ち寄っていたのだと思われます。秋らしい光景でした。 地上に葉を広げているクチナシグサに注意を払いながら草を刈り進んでいる時に、ふと横の クヌギの木に目を向けると、なんとスズメバ
Oct 30, 2025


イシミカワの彩りと長池自然学校!?
10月23日、自然館中庭では鮮やかな瑠璃色をしたイシミカワの果実が見頃を迎えています。 瑠璃色の部分は花被が実を包み込んだもので、はじめは淡いクリーム色をしていますが、 やがて桃色~赤紫色に色付き、そこから青味が増していきます。一つの果序に様々な段階の 果実が見られるのでとてもカラフルです。先日の千葉出張でもイシミカワに出会いました。 果実の美しさもさることながら、この植物は“かたち”も魅力的です。茎を抱き込むように 付いた真ん丸の葉っぱ(托葉)と、長い柄のある三角形の葉っぱ。そのどちらも、一つの茎に 見ることができます。たとえ果実が無くても、“丸”と“三角”の葉っぱが同居していれば イシミカワと判別できるでしょう。また、他の植物によじ登って伸長する習性があり、茎に 斜め下向きの鋭いトゲがたくさんあるのも特徴的です。観察の際にはトゲにご注意下さい! 群落の中に、果皮が失われて中の実が剥き出しになっている個体を見つけました。意外な ことに、中の実は光沢のあるブラックでした。このままでも十分目立ちそうなものなのに! さて、この日は長池公園に多くの子ど
Oct 29, 2025


念願のオニフスベ
10月22日、企業案件で千葉県某所の都市開発予定地へ出張してきました。関係者の皆さんと 現場を歩いての調査観察はこれが3回目でしたが、この日もまた良い出会いがありました。 調査地に隣接する谷へ足を踏み入れた直後、遠くにバレーボールのような塊が見えました。 あれはもしかして!・・近付いてみるとやはりキノコでした。大きなものは直径30cmほど! ハラタケ科のオニフスベという種類で、日本特産にして最大級の“お化けキノコ”です。 今回見つかった個体の多くは、すでに白い外皮が消失して褐色の内皮が剥き出しになって いましたが、この内皮の内側にはぎっしりとほこり状の胞子塊が詰まっていました。触った 感触はパンのように柔らかく、ゴムボールのように軽くて転がすとコロコロ止まりません。 小さい頃に眺めていたキノコ図鑑に載っていて、そのビジュアルに衝撃を受けたのをよく 覚えています。ずっと見てみたいと思っていたのですが、なかなか縁がありませんでした。 そんなわけで、見つけた瞬間から子どものように興奮しっぱなし。林縁に点在して生える オニフスベをひとしきり観察したあとは
Oct 28, 2025


モミジルコウと長池小学校4年生クズとり
10月21日、調査の仕事で通りがかった空き地に、鮮やかな朱色の花が群生していました。 ヒルガオ科のモミジルコウ(ハゴロモルコウソウ)という植物です。栽培品の逸出でしょう。 マルバルコウとルコウソウの交配種で、葉の切れ込みは両者の中間的。モミジのような形を していることからその名が付けられました。最近はどこでも見かけるマルバルコウと違い、 モミジルコウを目にする機会はあまり多くありません。ちょっと嬉しい出会いなのでした。 この日の調査は、熱心な市の職員お二人と一緒にいくつかの緑地を廻りました。思いがけず コシオガマやカエデドコロなどのやや希少な種類も記録できて、上々の成果を挙げました。 写真は順に、コシオガマ、シュロソウ、イヌショウマ、タチツボスミレ、ボタンクサギ、 ウシハコベ、ヤクシソウ、ヒメセンナリホオズキ、アメリカアサガオ、カエデドコロ、 ノブドウ、イヌアワです。※季節外れのタチツボスミレは水辺で返り咲きしていたもの。 一方、午前中は長池小学校4年生による体験プログラム第2回(第1回は姿池清掃)のクズとり ミッションが実施されました。小学校の
Oct 26, 2025


マルバツユクサの繁栄と公開座談会
10月20日、午前中は港区青山の「地球環境パートナーシッププラザ」へ出張してきました。 関東EPOと環境再生保全機構が主催する、都市の環境保全活動に関する公開座談会に登壇 するためです。途中、電車が運休になるアクシデントに見舞われてどうなることかと・・ 朝一番、京王堀之内駅前の歩道沿いにマルバツユクサがたくさんあるのが目に入りました。 堀之内周辺では、主に大栗川よりも北側に広く見られる雑草で、造成土や畑の堆肥に種子が 混入して持ち込まれ、定着したとみられます。旺盛な繁殖力によってみるみるうちに分布を 広げてきました。もともとは南方系の雑草なので国内外来種とされていますが、国内だけで なく、東南アジア産のヤシ殻堆肥など、大陸から渡来した系統も多いことが予想されます。 地中に閉鎖花を付けて自家結実することもあって、分布の広がり方が尋常ではありません。 座談会を無事に終え、青山の街角で最初に出迎えてくれたのもこのマルバツユクサでした。 2つずつ並んだ花が愛らしく、足を止めてカメラを向けてみました。丸葉も可愛いですね! こちらが登壇した「都市部における“
Oct 25, 2025


モズの高鳴きと長池イベントday
10月19日、各地でモズの高鳴きが聴こえてくるようになりました。秋の里山の風物詩です。 目立つ枝先などに止まって縄張りを主張し、獲物を狙う姿は猛禽類さながらの迫力ですが、 よく見ると可愛らしい顔をしています。この顔でネズミやトカゲを咥えていたりするので、 なかなかのギャップです。そして、縄張りに侵入した他のモズや大型の小鳥に対して果敢に 攻撃を仕掛ける姿もまた、負けん気の強さを感じさせます。観察していて飽きない鳥さん! さて、この週末は長池公園で3つのイベントが同日に開催され、とても賑わっていました。 南大沢図書館主催「パークライブラリー」、NPObirth主催「桑都の杜 森づくり勉強会」、 そして、長池公園主催「セイタカアワダチソウで草木染め」です。どのイベントも盛況で、 参加者の笑顔に溢れていました。パークライブラリーは雨天のため途中で中止を余儀なく されましたが、午前中だけで300人近い来場者があったそうです。「みんなの長池」最新号 でもインタビュー記事を掲載している大学院生のOさんが、長池見附橋や長池伝説を独自の 講談や一人芝居で表現して
Oct 24, 2025


ハチオウジアザミの訪問者たち
10月18日、自然館の中庭テラスで保護栽培中のハチオウジアザミが、満開を迎えています。 連日、たくさんの昆虫が蜜を求めて飛び回っており、訪花昆虫の観察にはもってこいです。 昼行性の蛾の一種、ホシヒメホウジャクが、まるでハチドリのごとく飛び回っていました。 ここで見られるホウジャクの仲間では、もっとも数が少ない種類です。止まっているときは 枯れ葉そっくりなのですが、飛翔するときは翅を素早く動かしているので別人のようです。 よく見ると、ホウジャクの仲間ではあまり見られない蜜の吸い方をしています。ホバリング しつつ、前脚を花にわずかに引っかけて、体を安定させながら吸う行動が観察されました。 こちらは2番目に数が少ないヒメクロホウジャクです。以前も、ぬいぐるみのようで可愛い ホウジャクとして、表紙に取り上げたことがありましたね。 ホウジャク2種とオオスカシバ もっとも数多く見られるホウジャク類が、このホシホウジャクです。ブーンと羽音を立てて 花の周りを飛び回るハチのような蛾を見つけたら、たいていはこの子でしょう。蛾だという ことを知らなければ、一瞬、ビク
Oct 21, 2025


珍しい雑草三題
10月17日、大塚方面のふきつけ公園と竜ヶ峰公園で、草刈りを実施しました。竜ヶ峰公園の 入口付近の路傍で8月に見つけたある雑草が気になっていたので、もう一度見てきました。 その雑草がこちら。アオイ科の外来種、中央アメリカ原産のホソバキンゴジカ(推定)です。 市内で確認している近縁のキンゴジカやアメリカキンゴジカよりも、葉が明らかに細長く、 全体の質感や出で立ちもなんとなく違っています。発見時はもっと小さくて葉も数枚しか 付けておらず、おまけに未開花だったので、そもそもキンゴジカの仲間で合っているのか 確かめるためにも、やはり花を見ておきたかったのです。草刈り作業の撤収を始めた午前 11時半頃、それまでしぼんでいた花がじわじわと開き始め、15分ほどの間に花開きました。 なぜかはわかりませんが、この仲間は開花時間が非常に短く、日中の限られたタイミングに しか花を咲かせている姿を見せてくれません。現場を引き上げなければならなかったので、 最後までは見届けられませんでしたが、しっかりキンゴジカ属特有の花を確認できました! 見つける→調べる→観察する→調べ
Oct 21, 2025


秋深まる
10月16日、長池公園では早くもジョウビタキの雄が初認されました。近年は国内でも多数の ペアが繁殖しており、もしかすると国内を南下する途中で立ち寄った個体かもしれません。 夏鳥のキビタキもまだいますし、本格的に姿を見るようになるのはもう少し先でしょうか。 この日は、調査の仕事で市内3ヶ所の民有緑地を廻ってきました。最初に訪れた緑地は隣接 して栗畑が広がっており、なんとも秋らしい光景に出会えました。クリは、秋の味覚として 日本を代表する伝統果樹の一つですが、そのルーツは古く、縄文時代にはすでに利用されて いたことが知られています。植物としてのクリの起源は驚くほど太古までさかのぼります。 6000万年以上も昔、恐竜たちが闊歩した白亜紀後期にクリの祖先が生育していたのだとか。 クリが歩んできた途方もない歳月と、人々との関わりの歴史に思いを馳せてしまいますね。 栗畑の足もとにはハマハナヤスリ、コハナヤスリ、コヒロハハナヤスリなどハナヤスリ類が 一面に混生していました。適度な湿り気があり、程良く草刈りされる芝草地が彼らにとって 好条件のようです。雨の雫がキ
Oct 20, 2025


秋川丘陵の自然さんぽ
10月15日、講師の仕事で、武蔵五日市から広徳寺(あきる野市)を目指して歩いてきました。 秋川丘陵はすっかり秋の風情に溢れており、あちこちからモズの高鳴きが聴こえてきます。 涼しく快適な散策日和となりました。道中で出会った動植物のうち、一部をご紹介します。 この日、私がもっとも印象に残ったのは広徳寺の林縁に群生していたキバナアキギリです。 長池公園のカタクリ観察路をはじめ、南多摩でもあちこちに分布しているので、珍しいもの ではありませんが、一面の群落、それも花がとても良い状態でした。キバナアキギリなど、 サルビアの仲間の花を見ると必ずやってしまう遊びがあります。細い枝を花にやってきた 昆虫に見立てて花の奥まで差し込むのです。枝の先が仮雄しべに接すると、すぐに上から 2本の雄しべがパタンと降りてきて差し込んだ枝をホールドします。つまり訪花した昆虫の 背中に、雄しべがペッタンペッタンと花粉のスタンプを押すように設計されているのです。 広徳寺周辺で観察した植物です。ナガバノヤノネグサ、ユウガギク、ヤマゼリ、カヤラン、 イワウメヅル、トキホコリ、ササクサ
Oct 19, 2025


中庭テラスの植物と秋葉台小学校5年生の稲刈り
10月14日、各地で秋の野菊類が見頃を迎えています。自然館中庭テラスでは、薄紫色の花が 魅力的なカントウヨメナが咲いていました。ユウガギクやノコンギクとよく似ているので、 正確に判別するには、種子の綿毛の有無や長さ、葉の形態などを確認する必要があります。 見慣れてしまえば、遠目からでもある程度は検討が付くようになり、特に生育環境の違いで 「ススキの原っぱに見え隠れしているのはノコンギクだろうな~」、「湿っぽい草地に群生しているのはきっとユウガギクだ」などと言い当てられるのも、野菊の面白いところです。 カントウヨメナは主に田んぼの畔や湿地に生育します。水辺に咲く背が低めの紫色の野菊は 本種の可能性が高いといえます。当たりを付けてから細かい点を確認すると良いでしょう。 向かって右手の水鉢では、再びミズアオイが開花していたほか、希少なタウコギも開花中。 どちらも園内には自生せず、他所から移植したもの。3枚目は園内自生のコメナモミです。 さて、この日は秋葉台小学校の5年生が米作りの学習で長池公園へ来園しました。3クラスが 順番に、長池里山クラブ指導のもと
Oct 17, 2025


この羽誰のもの?
10月13日、今朝も長池にはオシドリのペアが滞在していたそうです。メンバーは日替わり? ところで先日、公園スタッフのKさんが園内の雑木林で特徴的な鳥の羽を拾ってきました。 この羽を見て一目で落とし主がわかった方は、なかなかのセンスです。答えはイカルです。 イカルの初列風切羽なのですが、白い斑紋が片側しかないので、最も外側の一枚でしょう。 以前にも市内でイカルの羽を拾ったことがありますが、それとは模様が異なっていました。 自然館の窓口では、スタッフが拾ったモノを色々と展示しています。早速、仲間入りです! 一方、展示室1の休憩スペースにあるミニ本棚にも新刊本が少しずつ配架されています。 その中から一冊ご紹介。山と溪谷社から今月発売されたばかりの『野鳥の食事事典』です。 著者はバードリサーチのお二人で、私も植物イラスト監修を担当させていただきました。 野鳥が何を食べているか、なんとなくは知っていても、種ごとにきちんと調べた記録は 案外多くありません。この本のベースはバードリサーチが取りまとめている全国規模の 食性データベースの情報がもとになっています。
Oct 14, 2025


東京都外来種対策リスト2025
10月12日、ご紹介が遅くなってしまいましたが、専門委員の一人として一昨年度から策定に 関わってきた東京都の「外来種対策リスト(ブルーリスト)」が先月より公開されています。 外来種対策リスト・外来種対策行動の手引き|希少な野生動植物の保全と外来種対策|東京都環境局...
Oct 13, 2025


ツリフネソウのお花畑
10月10日、鹿島公園の草刈りを実施しました。この時期の緑地作業は一年でもっとも快適と いえるかもしれません。涼しい中での動力作業は、ちょっといい汗かいて、じつに健康的! ところで先日7日、近隣の都立公園から依頼をお受けして、閉鎖管理区域内の現地調査を...
Oct 13, 2025


はみ出すシモバシラ
10月8日、自然館での打ち合わせが3件と緊急対応が1件と、少し慌ただしい一日でした。 そんな時こそ、スキマ時間は自然館周辺の花パト(開花植物の状況確認)に限りますね! 会議室1の窓辺から見える植栽地では、いつしかシモバシラの花が満開になっていました。 冬の朝に見られる珍妙な「氷柱」が作られることで有名なシソ科の植物です。花は純白が スタンダードですが、ほんのりピンクがかった品種のウスベニシモバシラも稀に見ます。 「氷柱」の人気ぶりに比べて、花のほうはあまり知られていません。開花期は10月頃です。 自然館前の植栽株は以前、雑草と一緒に誤って刈り取ってしまったことがあり、その反省で 最近は気を付けて手入れするようにしていたところ、今度はウッドデッキの園路上にかなり 豪快にはみ出して花を咲かせました。普通なら通行への支障を考慮してカットするところを あえてそのままにしています。希少な植物ゆえ、ちょっとくらい園路にはみ出して自己主張 してもいいじゃない!そう考えていますが、これが通用するのは長池公園だからでしょう。 中庭テラスでは、イシミカワの果実が鮮や
Oct 11, 2025


アオイトトンボ再発見
10月7日、長池小学校の4年生総勢65名が来園し、皆さんと一緒に姿池の清掃を行いました。 小学校の授業の一環で姿池清掃を行うのは、今回が初の試みです。幸いにも、池掃除日和の 天候となり、無事に3、4段目の清掃を完遂することができました。清掃後に驚きの発見が!...
Oct 11, 2025


動物園の秋(番外編)
10月5日、秋の渡りシーズンも終盤を迎え、ヒタキ類もそろそろ見納めかと思っていたら、 意外な場所で遭遇することができました。親子連れで賑わう閉園間際の多摩動物公園です。 園内の至るところにエゾビタキの群れがいました。ほとんど鳴かないので見落とすところ...
Oct 10, 2025
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