ネクターガイドの多様性
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3月1日、先日に続き、桑都の杜に関連した苗木作りのイベントが長池公園で開催されました。私はお休みだったので
先日28日の夕方に観察した植物の話題です。畑や道ばたでおなじみのホトケノザ。花をじっくり観察してみると・・
すぼまっていてわかりにくいですが、ホトケノザの花は唇形花で2裂した上唇(じょうしん)と3裂した下唇(かしん)が
あり、中央の下唇は下にべろんと広がってさらに2つに裂けています。この部分は蜜を求めて訪れる虫たちにとって、
台座の役割を果たしています。台座には濃い紫の斑点があるのですが、この斑点のパターン、じつに多様なのです。
ホトケノザの花にもこんなに個性があったなんて!斑点はネクターガイド(蜜標)と呼ばれる構造で、訪花昆虫に蜜の
在り処を教えるとともに、イモムシなど送粉に貢献してくれない(お呼びでない)虫を退避する物質が含まれていると
いいます。ただの個性ではなくちゃんと意味があるわけです。ただし、稀に斑点の無いホトケノザも見つかります。
ちなみに、同じ虫媒花でも斑点の無い種類はたくさんあります。それらはネクターガイドが存在しないのではなく、
私たちの目に見えていないだけのようです。というのも、人間には見えて昆虫には見えない色、人間には見えなくて
昆虫には見えている色というのがそれぞれあり、例えば私たちが認識できない「紫外光」が昆虫には見えています。
普通に見ると黄色1色に見えるタンポポやヘビイチゴも、昆虫の目で見ると、花の中心部分が紫外線を吸収し、反対に
周辺部分は紫外線を反射することから、その違いが模様として認識できるわけです。私たちはどうしても自分の目で
見たもの、見えている世界が全て、それが当たり前と思い込んでしまいがちですが、考えてみれば、人も虫も鳥も、
見え方は違っていて当然なのかもしれません。私が観察したホトケノザも昆虫たちにはどう見えているのでしょう?
おまけ。炭焼き小屋裏手の雑木林トレイル沿いに、園内唯一のシシガシラというシダが1個体のみ生育していますが、
そのそばに新たに2個体の幼株が発生しているのに気付きました。もともとは親株もかなり小さな株でしたが、近年は
立派に育って胞子葉を伸ばすようになっていました。そこから散布された胞子の発芽、つまり胞子による繁殖が確認
されたことになります。せっかく新しい株が生えてきてくれたので、親株とあわせて大切に見守っていきましょう。
同じ道沿いの炭焼き小屋そばには、同じく園内唯一のアカハナワラビが1個体生えており、マーキングしてあります。
シシガシラもアカハナワラビも東京都の絶滅危惧種になっていますが、由木では前者のほうがより希少な存在です。



































