静岡県生物多様性セミナー登壇
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 10月8日
- 読了時間: 3分
10月2日、静岡県主催の生物多様性セミナーで事例発表者として登壇する機会をいただき、
静岡まで日帰り出張してきました。企業、行政、自然系団体などから80名近い参加があり、
会場には関係者も含めると100名くらいいらしたのではないかと思います。凄い熱気です!
当セミナーでは主に「ネイチャーポジティブ」や「自然共生サイト」といったキーワードに
ついて話題提供者それぞれの立場から解説が行われ、私からは長池公園での実践例をお話し
させていただきました。活動エリアは違えども、皆さまの活動のヒントになるようなことが
一つでもあれば嬉しいです。また、業種を問わず多くの方と交流できて大変有意義でした。
さて、会場となったグランシップは東静岡駅のそばにあります。東静岡駅に降り立ったのは
初めてなので、やはり気になるのは“ご当地雑草”です。改札から階段を下りてすぐに目に
飛び込んできたのはカワラケツメイそっくりのこちら。正体は北米原産のアレチケツメイ。
今からちょうど20年前に岐阜県で初めて認識されて以降、東海3県や神奈川県でも相次いで
発見され、局所的に勢力を拡大しているといいます。在来種のカワラケツメイを食草とする
希少な昆虫、ツマグロキチョウがアレチケツメイに食草転換をして個体数を回復させている
事例もあるらしいので、外来雑草とはいえ、むしろありがたい側面もある異色の存在です。
心の中で、“セミナーの参加者に目撃されませんように・・”と祈りながら道に突っ伏して
夢中で観察したのでした。カワラケツメイとは、花や葉、腺点の形に違いが見られました。
ご当地雑草巡りではチェックの欠かせないニシキソウ類ですが、ここでは全3種類を確認。
どちらかといえば暖地に多く見られるハイニシキソウとアレチニシキソウが優勢でした。
ここでも猛威を奮っているアレチヌスビトハギに混ざって、葉の質感や茎の毛などに違いの
見られるイリノイヌスビトハギ(?)が見つかりました。南方系のケナシヒメムカシヨモギや
近年はどこでも見られるようになってきたヒメクマツヅラなども確認し、ひとしきり満喫。
・・とこの辺りでハッと我に返り、本来の目的を思い出して、会場へと急いだのでした笑。
プロフィール代わりに、採取してきたアレチケツメイを紹介し、エレベーターホールから
チョウゲンボウが観察できた話を始めるという暴挙に・・。一応、このくだりには目的が
ありました。“自然というのはどこにでもあって、その営みや変化に気が付けるアンテナを
持ち続けることが大切”というメッセージ。日本の自然のいいところは私たちの日常の中に
あるもの。グローバルでビジネス的な話が続いたあとだからこその、足元の雑草なのです。
生物多様性の回復という共通の目標に向けて「私ができること」「私たちにできること」は
何でしょう?セミナーを通して一人一人が考えるきっかけになったのではないでしょうか。







































