遅延羽衣成熟
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 17 hours ago
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1月9日、机の前でじっとしているのはあまり得意ではないのですが、ちょっと集中して書類の作成に没頭しました。
そんな時に限って、事務所の窓越しに見えるナンテンが食べ頃らしく、飛来する小鳥が気になって仕方ありません!
さて、この日もお昼休みに堀之内方面へ。タイミング良くルリビタキが現れてくれました。何度か通う中で、動きが
掴めてきました。ここで待っていればあそこに止まるだろう・・そんな駆け引きが楽しく、相手に無用なストレスを
かけないで済みます。縄張りが近接するジョウビタキ(雄)やモズ(雄)との攻防も一段と激しくなってきて大変そう。
先日の記事でも触れたとおり、ルリビタキの雄は、全身が青くなるのに(性成熟に)、数年を要する性質があります。
この性質は、科学的には「遅延羽衣成熟(Delayed plumage maturation:略称DPM)」と呼ばれるもので、他には
キビタキなどでも見られます。(ルリビタキほど顕著ではない。)なぜルリビタキがDPMという性質を獲得したのかと
いう理由については、はっきりしていません。これまでに提唱されてきた主な研究仮説を3つ紹介したいと思います。
一つ目は雌擬態仮説です。若い雄が雌のふりをして他の雄の縄張りにこっそり侵入したり、つがい外交尾を試みたり
するために、しばらくは地味な外見でいることが有利になるというもの。二つ目は地位伝達仮説で、擬態とはむしろ
真逆で、まだ若いことを他の雄へ積極的に伝えることで、激しい縄張り争いに発展するのを未然に防いでいるという
考えです。三つ目は冬季適応仮説。先の2つは主に繁殖期への適応でしたが、こちらは越冬期にまだ未熟な雄が外敵に
見つかりにくいように適応したという考え方です。どの仮説も“確かになぁ”と頷けるものばかりですね。観察して
いるだけでは、その検証はなかなか難しそうですが、個体間での優劣や関係性は、観察の積み重ねからわかることも
多いので、青い子ばかりではなく、褐色型の子(雌や若い雄)にも注目してしっかり継続観察してみたいところです。
※記事の作成にあたり、下記の文献を参考にしました。「動物の体色がわかる図鑑(グラフィック社) P130~131」
「BIRDER SPECIAL ジョウビタキ・ルリビタキ・オジロビタキ(文一総合出版) P70~71」















