top of page

藪漕ぎの代償

7月30日、東京都からの依頼で、市内某大学の敷地内にある広大な森を調査してきました。

敷地内には約30年もの間、誰も入ったことがなく、手つかずの沢や湧水湿地が残っており、

学術的な調査が入ったのも今回が初めてだそうです。私も俄然、気合いが入っていました。

貯水池の水辺には多数のクロイトトンボが交尾・産卵のために集まっていました。普通に

見られる種類とはいえ、ずらりと並んだ光景には驚きました。水中の生物については私には

よくわからなかったので、環境DNAによる調査の解析結果を楽しみに待ちたいと思います。

谷底部の林床では、ニホンアナグマの巣穴(1枚目)やノウサギの食痕(2枚目)が見つかった

ほか、アカネズミの食痕や大きなアオダイショウも何度か目撃しました。哺乳類やヘビ類を

はじめとする指標生物の存在は、この場所の生物多様性的価値の大きさを象徴しています。

植物は247種類が確認され、比較的希少なものとしては、ハルニレ(1枚目)、マメザクラ、

ナツノハナワラビ、ミズ、キハギなどを確認しました。2枚目はアブラチャンの果実です。

時間の都合で全てのエリアは廻り切れなかったのですが、また季節を変えて調査を行えば

さらに希少な種類も発見できそう。大学の敷地内にこんなに豊かな自然が残っているとは

驚きですね!・・ところで、道なきジャングルをひたすら漕ぐように歩き続けた結果・・

翌日、左腕全体に赤い発疹と強い痒みが。これは間違いなくツタウルシ接触皮膚炎です。

行く先々に、ツタウルシのつるが避けようが無いほど蔓延っていたので、こうなることは

薄々分かっていたのです。ウルシかぶれの原因はウルシオールですが、ツタウルシは特に

強く症状が出やすいことが知られています。私自身もウルシ全般にかぶれやすい体質です。

ということで、塗り薬を塗って痒みに耐えながら、回復までやり過ごしたいと思います。


 
 
bottom of page