続・ナンテンハギ
9月28日、自然館から駐車場へ至る園路沿いで、青紫色のナンテンハギの花が咲き残っているのに気が付きました。
フタバハギの異名を持つとおり、2枚の葉が対になって付くのが特徴のマメ科草本です。マメ科の草本植物の大半は、
複数の丸っこい小葉がセットになった複葉を持つのに対して、ナンテンハギは単葉であり、葉の先も尖っているのが
独特です。花を見ればいかにもマメ科らしいフォルムなのですが、葉だけ見るとマメ科とは思えないことでしょう。
花のすぐそばには、若い果実が実り始めていました。“薄っぺらいスナップエンドウ”といった雰囲気で、やはり、
期待を裏切らないマメ科らしさをここでも見せてくれました。なお、生態的な話は過去記事をどうぞ。ナンテンハギ
夕方の撮影のため、ちょっと実際よりも暗めになってしまいましたが、園内で開花中の植物をいくつか紹介します。
自然館やながいけの道など、あちこちに咲いている黄色い花はカラスノゴマ。下を向いて咲く花は目に付きにくく、
咲いていても見過ごしがちです。下から覗いてみると、花が扇風機の羽根のように渦を巻いているのがわかります。
ながいけの道の湿地に大群生している黄色い花は、キツリフネです。ホシホウジャクやハナバチ類など、器用に蜜を
吸う能力を持った昆虫しか寄せ付けない、ちょっと特殊な構造をしています。自然館中庭で繊細な穂を揺らしている
小さな雑草は希少なキダチノネズミガヤです。マニアックな植物がお好きな方は、ぜひ、株の広がり方や花茎の付く
位置などに注目しつつ観察してみて下さいね。本種は長池公園には自生せず、他所から移植されたものになります。
4枚目はカタクリ観察路入口のアズマヤマアザミ、5枚目はタイアザミ、6枚目はノハラアザミです。アザミの仲間は
どれも似ていて苦手、という方も多いと思いますが、長池公園の園内に自生する秋咲きのアザミ類はこの3種だけです
ので、これを機会に比較観察にチャレンジしてみましょう。アズマヤマアザミはほっそり、タイアザミはイガイガ、
ノハラアザミはスラリ。細部の比較も大事ですが、意外とパッと見の第一印象も重要な手がかりになるものですよ!
おまけ。日中は出版社との打ち合わせで都内へ出張していました。帰りに立ち寄った古書店で思いがけない収穫が!
この分厚い洋書は、「Flora of China Illustrations 22 Poaceae」です。中国植物誌の図版(線画)シリーズで、
一冊まるまる、中国産のイネ科のイラスト集になっています。外来種のイネ科を調べるのにとても活躍しそうです。



