9月19日、出勤途中に、駐車場と自然館の間の道ばたに植栽してあるナンテンハギの花が
目に留まりました。丘陵地の草地や林縁に生える、里山を代表する野草の一つです。
谷戸の田んぼとともに維持されてきた周囲の裾刈り草地は、ナンテンハギをはじめ、
多様な草原性の里山植物にとって住み心地の良い空間をもたらしてきました。
農家が、田んぼのお米への影響が出ない程度に定期的に刈り取りを行うことで、
それらの植物が生育するのに都合の良い絶妙な低茎草地が維持されてきたわけです。
由木地区ではニュータウン開発によって多くの谷戸が失われましたが、区画整理を
免れた地域(民有地)や一部の都市公園(公有地)には今でも谷戸が残っています。
草原性の里山植物も、そうした谷戸の一角にひっそりと生き残っていることがあります。
しかしながら、現状は決して安泰ではなく、むしろ危機的な状況といえるでしょう。
民有地では、耕作放棄によって藪化が進んだり外来植物に覆いつくされたりしていることも
少なくないですし、公有地では、反対に過度の草刈りによって保全すべき植物もろとも
一掃されているケースをよく見ます。裾刈り草地は、面積的にはごく小面積であり、
あまり注目されませんが、里山の草原性植物を守る上では間違いなく重要な環境です。
長池公園では、裾刈り草地の植物多様性に注目し、園内でその保全を試行しています。
植物を観察される際には、ぜひ生育する環境も含めた視点で見ていただけたら嬉しいです。
さて、今日はいせまいり公園と大塚宮田公園の草刈りを実施しました。いやー暑かった。
いせまいり公園で拾ったオナガの尾羽、大塚宮田公園で見つけたチカラシバの一品種、
アオチカラシバ(総苞毛が緑色のもの)、マテバシイの葉裏で休んでいたアカホシテントウの
写真を載せます。アカホシテントウ、最初はヘリグロテントウノミハムシというハムシかと
思ったのですが、触っても跳んで逃げることはなく、ゆったりした動きで歩き始めたので
テントウムシの仲間とわかりました。私たちと同じように、木陰で避暑していたのかも・・