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秋のヤマトシリアゲ

9月20日、すっかり涼しくなりました。時折、アブラゼミやヒグラシの鳴き声が聴こえて

きて驚きますが、コオロギやアオマツムシなど秋の虫の音が圧倒的に優勢となっています。

この時期、雑木林を歩いているとよく目に付くこんな昆虫がいます。面白い顔をしていて、

葉の上に止まってあまり逃げないでいるので、気になった方も多いのではないでしょうか?

正体はヤマトシリアゲという種類です。名前のとおり、お尻をピンと上げた姿が特徴です。

写真の子は、先日行われた水質調査に同行した際、足もとにいたのでカメラを向けました。

全身が鮮やかな黄橙色なので目立っています。しかしながら、じつはヤマトシリアゲには

羽化の時期が異なる春型と夏型があり、まるで別種のように異なる色彩をしているのです。

こちらは以前撮影した春型のヤマトシリアゲです。翅の模様や体型はほぼ変わりませんが、

全体に黒っぽく、秋型のような派手やかさは全くありません。あまりに印象が異なるため、

かつては春型がヤマトシリアゲ、夏型がベッコウシリアゲとして、別種にされていたとか。

ところで、2019年の秋にヤマトシリアゲの面白い生態を観察しました。ヤマトシリアゲは

通常、死んだ昆虫や小動物の体液、腐った植物の汁などを吸っているということが図鑑には

記載されています。写真をご覧下さい。ヤマトシリアゲが夢中になっているのはホオノキの

果実です。ホオノキの果実を食べる小鳥は何度も観察していますが、これには驚きました!

身近な昆虫ほど、意外な一面に遭遇した時の感動も大きいもの。これぞ観察の醍醐味です。

おまけ。サタデーパークボランティアの活動が再開されました。休み明け初日の活動では、

雑草に埋もれつつあったリンドウの救出や希少種ノハナショウブの播種に取り組みました。


 
 
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