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白露の虫便り

9月8日、まだ残暑厳しい里山ですが、秋分に向かって少しずつ秋らしくなってきました。

二十四節気では白露(はくろ)となり、早くも草木に朝露が輝き始める時期でもあります。

蝉時雨もいつの間にかピークアウトしており、聴こえるのはツクツクボウシの声ばかりに。

鳴き始める時期の遅いヒグラシとツクツクボウシは、どちらも秋の季語として知られます。

“オ~シ~ツクツクツク・・”という声の合間には、“チッチッチッ・・”とごく控えめな

虫の音が聴こえてきます。庭先や植え込み、集合住宅の建物内、時に室内でも聴くこの音。

音の正体はカネタタキという鳴く虫の一種です。1枚目が雄で、2枚目が雌。細長い体型と

長い触角が特徴ですが、鳴き声を聞くわりに、姿を見る機会はそれほど多くありません。

普段は、葉の裏側などにいることが多いからです。樹名板をめくるとよく隠れています。

「声はすれども姿は見えず」なので、昔はミノムシが鳴いていると思われていたのだとか!

この日、自然館中庭ではウラナミシジミを初認しました。このチョウもまた、白露の頃に

姿を見せ始める昆虫の一つです。翅裏の“波模様”が、まるで樹木の年輪みたいですね!

今回紹介した昆虫はどれもごく普通種。季節の移ろいを実感させてくれる大事な存在です。

おまけ。中庭で開花中の植物をいくつか。ヒメシロネ、ウスゲチョウジタデ、シカクイ、

アオコウガイゼキショウ、タチコウガイゼキショウ、ヤマホトトギス(つくいけの道)です。


 
 
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