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今年もみ~っけた!

9月9日、巡回清掃で堀之内東山方面を廻ってきました。堀之内東山そらみの森緑地内にある

センブリ群落の生育状況や、堀之内沖ノ谷戸公園の水田に生える湿生植物などもチェック。

次にいつ廻れるかがわからないので、あれもこれもと欲張って、脱線を繰り返す道中です。

堀之内沖ノ谷戸公園の見晴らし台周辺は、あちこちでクズが伸びてきてしまっていました。

繁茂するクズはうっとおしい反面、魅力もあります。花の美しさと香りの良さについては、

先日取り上げたとおりです。それだけではありません。クズは昆虫からモテモテなのです。

クズの花を見かけたら、探さずにはいられない昆虫がいます。ウラギンシジミの幼虫です。

全ての写真に1匹(同一個体)のイモムシが写っているのですが、見つけられるでしょうか?

6枚目は側面から撮ったものなので、わかりやすいかと思います。1対の突起がカタツムリの

ようですが、突起はお尻側にあるので、左の膨らんでいるほうが頭ということになります。

刺激するとお尻の突起からブラシ状の器官を出して威嚇しますが、一瞬なので撮れません。

1~5枚目の写真を見てわかるとおり、見事にクズの花や蕾に溶け込んだデザインには全く

驚かされます。花に化けることで天敵の小鳥から身を守り、花を食べて成長するのです。

やがて体色が緑色に変化すると葉の裏などで蛹になる準備が始まります。今度は葉っぱに

溶け込もうという算段です。蛹は秋には羽化して、成虫の蝶はクズの周りを飛び交います。

ウラギンシジミの幼虫を探すコツは、まず、手の届く高さで咲いたクズの花を見つけます。

たくさん咲いているところよりも、ちらほら咲いているくらいのほうが探すときに楽です。

そして、上のほうにまだ十分に蕾が残っている花序のほうが、見つかりやすい気がします。

あとは花序を手繰り寄せてくまなく見ていくだけです。違和感に気が付ければ成功です。

ゴルフボールのような白くて小さな卵や、より若齢の幼虫が見つかることもありますよ!

ウラギンシジミの幼虫を観察していたら、別の花序にナメクジのようなイモムシがいるのに

気が付きました。こちらはウラナミシジミの幼虫。名前は似ていますが別の種類の蝶です。

先日の記事で成虫を紹介したばかりでしたね。彼らもまた、クズなどを食べて育つのです。

最近は当ブログでの出番も多くなってきたクズクビボソハムシが、ここでもアート活動中。

それにしても、花も葉っぱも茎も・・ほぼ全ての部位が昆虫たちに利用されているクズって

やっぱり面白い!クズに集まる生きものだけで、一冊の図鑑ができてしまいそうですよね!


 
 
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