top of page

生態系上位の来館者

7月4日、堀之内下寺沢南公園の草刈りを行いました。小さな公園ですが、ダスト舗装なので

炎天下での作業はなかなか堪えました。民地との境に生垣として植えられたレッドロビンに

ルリカミキリの食痕が複数見つかりましたが、観察している余裕がなく、成虫探しは断念。

作業から戻ると、新人スタッフのFさんが「朝、自然館前のコナラに飛んできました!」と

言ってツミの写真を見せてくれました。今年はあちこちでツミを目撃していますが、朝から

こんな近くで遭遇できるなんて、ちょっと羨ましいですねぇ。腹部がオレンジ色がかって

いて、虹彩も赤色(黒目がちに見える)である点から、雄の成鳥でしょう。精悍な顔付きに、

常連の小鳥たちもきっと腰を抜かして逃げ出したに違いありません。巣立ち前後の今時期、

ツミの親鳥はかなりナーバスになっているので注意が必要です。私も以前、執拗に襲いかか

られたことがあり、その時の恐怖はよく覚えています。大事な時期のヒナを守るための防衛

手段なのだとは思いますが、とにかく不用意に近付きすぎないようにすることが大切です。

夕方、今度は閉館作業を行っていた自然館スタッフから「ヘビがいるので来て下さい!」と

知らせがありました。事務所にいた私は他の公園スタッフとともに現場へ行ってみました。

確かに館内の廊下にヘビが入り込んでいます。マムシのような模様に少しひるんでしまい

そうですが、何ということはありません。この子はアオダイショウの幼蛇です。大人には

無い銭形模様は幼蛇ではよく見られる特徴で、もしかしたらマムシに擬態しているのかも。

体型や顔立ちをちゃんと見ればマムシと見間違えることはないので、どうかご安心下さい。

館内の窓ガラスに沿って右往左往して困っていたので、近くの茂みに逃がしてあげました。

朝と夕方、2種類の大物が来館したわけですが、どちらも生物界では大型の捕食者、つまり

生態系の上位に君臨する重要な生きものです。豊かな生態系を象徴する彼らとの出会いに、

長池公園の里山の豊かさ、そして生物多様性的価値の大きさを改めて実感したのでした。

おまけ。ながいけの道でルリボシカミキリを見つけました。私にとっては今季初認でした。

園内各所の材木で見られるようになるでしょう。写真2枚目はウグイスナガタマムシです。

bottom of page