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小さな猛禽2種と由木の植物講座

4月25日、先日24日の民有緑地の調査中、住宅街の一角にある鎮守の森に甲高い声が響き

ました。上を見上げると、小さな猛禽、ツミが枝に止まってこちらを見下ろしていました。

体はハトくらいの大きさですが、精悍な顔つきと堂々とした出で立ちはさすが猛禽類です。

もっとも街中での暮らしに適応したタカの一種で、南大沢周辺でも街路樹の樹上などで繁殖

しているため、時々その姿を見かけます。だいぶ前の話ですが、ある緑地で営巣したツミは

人がそばを通ると執拗に追いかけてきて襲うことが知られていました。私も一度襲われて

みたいという欲にかられて出かけたのですが、なかなかの迫力で、申し訳ないことをしたと

反省しました。回り込んで正面からこちらに飛びかかってきたかと思うと脚を前に出し、

顔すれすれで上昇する、また正面に回り込む、という威嚇の動作を繰り返してきたのです。

営巣中のカラスも稀に人を襲うことがありますが、この場合は後ろから狙って脚で蹴りを

入れるのが普通なので、それに比べると随分強気な攻勢といえるでしょう。そんなツミが

普段獲物にしているのはもっぱら小鳥です。ツミが繁殖するような場所は、住宅街でも

小鳥が集中して生息していることを裏付けるシンボルといえます。例外的に、夕方の街灯で

アブラコウモリを盛んに捕食している個体を見たことがありますが、かなり異端派ですね!

翌25日は堀之内芝原公園で階段の落ち葉清掃を行っていると、モズのペアが現れました。

彼らは小鳥ですが、一年を通じて小動物を捕食しているので、ツミ同様に小さな猛禽と

いわれることがあります。鋭く曲がった嘴だけを見れば、猛禽類顔負けといえますよね!

私たちが一生懸命掃き出した、落ち葉の下から這い出てくる土壌生物を狙っていました。

さて、この日の午後はこちらの講座で講師を務めました。私の長年のライフワークである

おさんぽ植物調査とその成果を、お集まりいただいた60名の皆さんにご紹介しました。

ご存じのとおり、私は根っからのフィールドワーカーなので、室内座学は話すのも聞くのも

あまり得意ではありません。ですが、私にとってはおさんぽ植物調査の輪を広げる大きな

チャンスでもありましたので、思いを込めて精一杯お話をさせていただきました。熱が入り

すぎて少し時間を超過してしまいましたが、多くの方に満足いただけたようで何よりです。

なにせ、由木地区では累積で1773種類もの植物が確認されているので、とてもその全貌を

2時間におさめることはできません。しかしながら、この街が皆さんが思っている以上に

植物多様性に富んでいること、そしてそれらはおさんぽの積み重ねによって明らかにされ、

これからも探求を続けることに大きな保全的意義があること、さらにはそのための第一歩は

誰もが今すぐにでも踏み出せるということ。大切なメッセージは伝えられたかと思います!

おまけ。講座開催に先駆けて、仕事の合間に由木地区の希少植物や珍しい外来植物の所在を

確認して廻りました。民有地がほとんどなので詳しい生育場所は明記しませんが、いくつか

写真で紹介します。順にオオチゴユリ、オカオグルマ、タガラシ、マツバスゲ、アゼスゲ、

コオニタビラコ、アコウグンバイ、ウロコナズナ、シロノヂシャです。宝の山ですね~!

※上記の講座は応募者多数につき抽選となったそうです。応募したものの、残念ながら

外れてしまったという方には、配布資料を個別にお渡しすることができますので、その旨、

お知らせいただければ幸いです。ただし、事前に応募をした方に限りますので悪しからず。


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