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伐採跡地の甲虫たち

5月26日、最近は夜にフクロウがよく鳴いています。別所の住宅街の頭上を飛び越えて、

京王相模原沿線に点在する緑地帯を少しずつ移動しながら、活動しているようです。

日中の住処となる鎮守の森と、アカネズミが豊富に棲む明るい雑木林さえ残っていれば、

どんなに都市化が進んでも、ちゃんと命を繋いでいけることを証明してくれています。

さて、この日の午前中は調査の仕事で片倉町の民有緑地を訪れました。冬に大規模な伐採が

行われたあとで、ケヤキやクヌギの大木が玉切りされて積んでありました。近付いてみると

たくさんの甲虫が集まっています。多くの種類は、産卵のために材木を訪れているのです。

まず目に付いたのは集団で飛び回っていたケヤキナガタマムシ。胸部がワインレッドに輝く

美しいナガタマムシの仲間で、ケヤキの材木ではもっともよく見る甲虫の一つでしょう。

ケヤキナガタマムシよりも大きく、グリーンに白い斑点が特徴的なシラホシナガタマムシも

やってきました。こちらは警戒心が強くてなかなか近寄らせてくれません。長池公園でも

数年前にエノキの材木で観察されたことがあり、それ以来、久々の出会いとなりました。

先日、長池公園の材木置き場で観察したばかりのクビアカトラカミキリが数えきれないほど

たくさんいました。特にクヌギの材木に多く、一視野の中に10個体近く視認できる場所も。

こんなにいっぱいいると、だんだんとありがたみも薄れてきてしまうもの。ごめんね~!

その他では、キイロトラカミキリ、アシナガオニゾウムシ、クロホシタマムシ(死骸)などが

確認できました。アシナガオニゾウムシは、いつも腕立て伏せしているように見えます笑。

伐採跡地の縁に咲いたハルジオンの花には、ヒメトラハナムグリが長く居座っていました。

頭花に頭から突っ込み、花粉を食べているようです。まさに“ハナムグリ(花潜)”ですね!

植物調査で印象に残ったのは、畑の縁に群生していたタニソバです。低山地の山麓などでは

決して珍しい種類ではないのですが、多摩丘陵では滅多に見かけないのは不思議ですね。

2枚目はヤマヌカボ、3枚目はミヤコグサです。下草に紛れて目立たない植物が多い季節・・

調査は順調に終了し、調査後は再び伐採跡地へ。甲虫たちをじっくりと観察したのでした。

おまけ。午後からは「道草くらぶ」の皆さんと一緒に長池公園内を歩き、旬の植物や蕾で

これから咲くものなどを中心に草名札を付けて廻りました。開花中の植物を少しだけ紹介。

順にアズマイバラ、ノアザミ、コゴメバオトギリ、ウスベニチチコグサ、フシゲチガヤ、

オオバウマノスズクサ(※正確にはオオバウマノスズクサ×タンザワウマノスズクサ)です。

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