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ヒツジグサ

8月19日、巡回清掃で大塚方面を廻ってきましたが、この時期はゴミが少なめです。きっと

夏休みで帰省していたり、外が暑すぎて利用自体が少なかったりするのが要因でしょう。

利用率とゴミの量が相関しているのは残念なこと。持ち帰りにご協力をお願い致します。

午後、涼しくなって自然館中庭の植物に潅水をしていると、ヒツジグサが咲いていました。

長池公園には自生せず、2019年採集の青森県津軽市産の栽培品です。採集者の前の園長の

話によれば、津軽市北部の原野には自然・人工それぞれのため池が無数にあり、そのような

場所では当たり前にように普通に生えているそうです。東京では野生絶滅状態にあります。

かつて長池に生育していた記録がありながら、現在は見ることのできない水草が複数あり、

それらのうち、ジュンサイやヒルムシロはかいぼり後に奇跡の復活を遂げて話題になった

ものの、ヒツジグサやコウホネ、シズイなどの水生植物は残念ながら再生しませんでした。

この花が長池の水面にポツポツと咲いている様子は、さぞかし美しかったことでしょうね!

さて、上皇ご夫妻の長女、黒田清子さんの「お印」としても知られるヒツジグサですが、

7cmほどの白い花は、「未ひつじの刻(午後2時頃)」を中心として、前後2時間程度の間に

開花し、夕方には閉じてしまうようです。限られた時間に、どんな虫が来るのでしょう?

なお、同じスイレン科のスイレンもよく似ていますが、こちらは修景池などに人為的に導入

された外来種です。ヒツジグサよりもはるかに大型で、栄養繁殖で増える特徴があります。

このスイレン(熱帯スイレン)は、自生のヒツジグサを衰退させてしまう要因にもなります。

ヒツジグサにとっての脅威はそれだけではありません。コイやアメリカザリガニといった、

水生外来生物の食害は特に影響を受けやすく、これらの生息する池でヒツジグサの再生は

まず不可能といっても過言ではないでしょう。ただでさえ沼やため池が激減していることに

くわえ、残存する池沼でも外来水草や水生外来生物が幅を利かせているのが現状なのです。

おまけ。自然館のすぐそばの下草でホソミイトトンボに出会いました。このトンボは成虫で

越冬することが知られています。年2回発生しているようで、今頃の時期に姿を見る個体は

羽化したばかりの越冬型と思われます。こんな貧弱な姿でありながら、晩夏から翌春まで、

細々と生き延びていきます。繊細な見た目からは想像できない、たくましい生きざまです。


 
 
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