ヒキヨモギ
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 8月12日
- 読了時間: 2分
更新日:8月12日
8月9日、多摩境通りに面した南向き斜面のススキ草地には、草原性植物が点在しています。
中には、センブリやコシオガマといった希少な種類も生育しているため、数年に一度は必ず
歩いてそれらの現存を確かめるようにしていますが、ふと思い出して立ち寄ってみました。
目的は、8月のもっとも暑い時期に咲くこちらの花、ヒキヨモギです。イネ科の植物などに
半寄生する(光合成もする)ハマウツボ科の植物で、主にススキなどの草原に生育します。
長池公園でも2008年までは生育が確認されていたものの、それ以降は発生せず、絶滅状態と
なっています。近隣では、町田市の野津田町に群生するのが知られているくらいでしょう。
この場所も決して安泰というわけではありませんが、何とか現存を確認できて一安心です。
花は鮮やかな黄色で鳥の嘴のような形がユニーク。いつまでも残っていてほしいものです。
斜面下部の湿った草地には、同じく希少種のイトハナビテンツキがかろうじて生き残って
いてくれました。2枚目はヤマナラシの実生個体です。立派に成長した親木のまわりには、
いくつもの実生個体が発生していました。発芽率がこれほど高いのに、多摩丘陵では滅多に
見られない種類なのが不思議です。やはり、草原環境の減少が大きいのかもしれません。
さて、ヒキヨモギ探しの途中でもう一つイイものを発見しました。ノウサギの糞塊です。
ここは昔からノウサギの多い場所。眼下には、日中夜を通じて交通量の多い多摩境通りが
あります。こんなところで、今夜もどっこい駆け回っている彼らを想像してみて下さいね!





















