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バイカラーのコマツナギと大暑の自然暦

7月23日、講師の仕事で北多摩方面へ出かける予定でしたが、熱中症警戒アラートが発表

されるほどの酷暑予報を受けて、急遽、長池公園で講座を実施することになりました。

暦の上では23日頃からが「大暑」ですので、一年でもっとも暑い季節に突入しています。

南大沢駅を出発して長池公園西バス停で下車。バス通り沿いの植物から観察し始めました。

バス停付近の草地では、刈り残してあったマメ科のコマツナギが花盛りとなっていました。

この場所では通常カラーのピンク以外に、純白の花を咲かせる品種、シロバナコマツナギも

見ることができます。ピンクと白の両方が並び合う中に、写真のような個体がありました。

全体に淡いピンクで、花の中心部だけが濃い赤紫に色付いている珍しい色変わり品です。

通常のコマツナギとシロバナコマツナギの自然交雑によって生じたものかもしれませんね。

こちらが通常のコマツナギ。花は一様にピンク色で、個体数ももっとも多いタイプです。

そして、純白品のシロバナコマツナギ。刈り残しの甲斐あって、年々株数が増えています。

バス通り沿いの見どころは、なんといってもヤマユリの見事な群落でしょう。車窓からも

目に飛び込んでくるほど、大きな花をいくつも付けていますが、近付いてみると辺り一面に

花の香りが漂っているのでした。実際に近寄って、間近で観察されることをお勧めします!

足もとの雑草にも注目しながら歩きました。エノキグサとエノキ(1枚目)、クワとクワクサ

(2・3枚目)など、並べてみるとやっぱり似ている“他人の空似”な草と木の組み合わせ。

写真を撮り損ねましたが、コミカンソウやヒメミカンソウなども比べて観察ができました。

自然館前にも2種のそっくりさん。左がニガクサ、右がツルニガクサですが、その一番の

違いは、ツルニガクサの花や萼片には先の膨らんだ腺毛がびっしりと生えていることです。

園内で見頃だった植物をいくつか。アメリカホドイモ、ジョウシュウカモメヅル、クリ、

ムラサキニガナ、オトギリソウ、キンミズヒキ、ムラサキツメクサ(奇形)、マヤラン、

ウシノシッペイです。花の少ない盛夏でも、案外、見頃の草花が多いことに驚きました。

観察した昆虫もいくつかピックアップしてみます。アカボシゴマダラ、セマダラコガネ、

ナツアカネ、トウキョウヒメハンミョウ、ホソナガニジゴミムシダマシ、イボバッタ、

エゴヒゲナガゾウムシ、エゾギクトリバ(交尾)。9枚目は別の公園スタッフがクワの木で

撮影したトラフカミキリです。園内で記録はあるものの、私はまだ未見なので羨ましい!!

大暑の長池公園は動植物の楽園。暑さ対策は必須ですが、歩けば歩くだけ発見があります。


 
 
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