山中湖の植物(番外編)
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 8月11日
- 読了時間: 3分
8月8日、夜にベランダへ出ると「リッリッ・・」とツヅレサセコオロギが鳴いています。
「チッチッ・・」はカネタタキ。早くも初秋の鳴く虫シーズンが到来していたのでした。
ところで、夏季休暇に山中湖へ出かけた際、立ち寄った湖畔で面白い植物を見つけました。
背丈が私の身長よりも高い2m近くはあるであろう草花です。茎や葉は左右対称に付いていて
まるでスタンドマイクのように伸びた茎の先端に、丸い頭花(小さな花の集まり)が開花中。
マツムシソウに近縁の「ナベナ」という植物です。上から読んでも下から読んでも同じに
なる不思議な名前を持ちながら、その由来は不明だといいます。鍋に入れて食べたりしたの
でしょうか?ともあれ、見た目も名前もインパクトのあるこの植物、八王子でも恩方方面の
ににく沢などで記録があるのですが、私は花が咲いている株を初めて見るので感動です!
見よ!このシルエット!・・何しろ見上げる高さなので迫力満点です。富士山よりも高い?
貝殻や水鳥の羽を拾いながら歩いた砂地には、ナベナ以外にも色々な植物がありました。
観光地としては超有名であるにもかかわらず、湖畔に生育する植物に関する情報は非常に
少なく、ネット上でも個人のブログでわずかに紹介されているくらいです。さらにいうと、
手元にある『山梨県植物誌』や『山梨の植物誌』をはじめとする県レベルの文献であっても
山中湖周辺の植生や植物相に関する記載はほとんどありません。ですので、見慣れぬ植物を
見つけても、それが何という種類なのかゼロから調べなければなりませんし、珍しいのか
普通なのか、その判断も困難です。上の写真の植物は砂地に広く群生していたものですが、
この何の変哲もないアカザ科の植物ですら、同定するのに時間がかかってしまいました。
葉の形や花序の毛の様子などから、カワラアカザで良さそうです。東京では希少種ですね。
同様に、こちらのクサフジ類もその場では何という種類かわかりませんでした。花の様子は
クサフジそっくりなのですが、小葉の枚数がクサフジの半分くらいで葉幅も少し広めです。
近くには近縁のツルフジバカマも咲いていましたが、やはり花や托葉がこの植物とは全く
違っていたので、保留となりました。帰宅後に調べると、ノハラクサフジで良さそうです。
山梨には普通にあるものなのか、情報が少なくてよくわかりませんが、過去に山中湖村で
採取された標本画像が出てきたので、あってもおかしくないでしょう。先ほどから情報が
少ないことを嘆いていますが、私の探し方の問題かもしれませんし、何より、情報が少ない
ということは、たとえ有名な場所でも意外と未知の発見があるかも・・とワクワクします!
その他に見かけた植物もダイジェストで載せておきますが、間違いがあるかもしれません。
順に、ツルフジバカマ、イタチハギ、ケフシグロ、クルマバナ、イヌゴマ、ダイコンソウ、
マツバトウダイ、タニタデ、タチネズミガヤ、アオガヤツリ(2枚)、シロガヤツリ(幼株?)、
チャガヤツリ、カワラスガナ、メアゼテンツキです。以前、河口湖畔で見たカヤツリスゲや
スジヌマハリイ、コキツネノボタンなど全国的に希少な種類も生育しているようなので、
今度訪れた時には、ヨシ原や湿地にも足を伸ばしてじっくり散策してみたいと思いました。
おまけ。給水に訪れたカラスアゲハが、私の周りを妖精のように飛び回ってくれました。
トンボも数が多く、クロイトトンボ、セスジイトトンボ、ウチワヤンマなどがいました。









































































