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コシボソヤンマとシラタマタケ

11月8日、先週は出張で上川町方面の緑地へ、2度出かける機会がありました。多摩丘陵では

ほとんど見られない低山地性の動植物が多く、訪れる度に良い出会いが待ち受けています。

薄暗い沢筋の高さ6mくらいのスギの枝先に、大型のトンボが止まりました。双眼鏡で見ても

よくわからないくらいの距離です。崖をよじ登り、何とか全身を捉えることができました。

腹部第3節がキュッとくびれているのが特徴の、コシボソヤンマでした。この個体は雌で、

雄はこれよりもさらに細くくびれます。ここから数百mほど離れた谷戸でも足もとを低く

飛ぶコシボソヤンマを目撃したので、意外と、高い密度で生息しているのかもしれません。

少ないながら、長池公園や大栗川でも記録があり、河川の上流域から中流域までずいぶんと

広い範囲に分布するのには驚きです。晩秋とはいえ、まだまだトンボから目が離せません。

もう一つ、面白いものを紹介します。市の職員が数日前に森の中で見つけたというキノコ。

私が以前このブログで紹介したオニフスベに似ているけれど、小さいサイズのまま何日も

同じ状態・・ということで、ついでに見てきました。確かに最初に送ってもらった写真の

状態と変わらない見た目のまま生えていました。触ってみると弾力があり、プニョプニョ。

何か面白系のキノコの幼菌かもと思っていたのですが、外皮を剥がしてみると、寒天状で

ぬめりがあり、シラタマタケであることがわかりました。この感触は本当に独特なもので、

今後忘れることはないでしょう。シラタマタケと出会ったのは、私はこれが初めてでした。

ところで、この辺りの樹林地は野生動物が非常に多い場所です。テン、タヌキ、アナグマ、

イノシシ、シカ(写真)など、至るところでその痕跡が見つかります。ここ数年はこの付近で

クマの目撃例もあるので、八王子市内とはいえ油断はできず、用心しなければなりません。

また、林床はシカの食べない特定の植物ばかり目立つようになっているのも気になります。

写真は順に、マツカゼソウ、ミズ、オオバチドメ、ナギナタコウジュ、ノコンギクです。

林の縁では、渡ってきて間もないジョウビタキの雄どうしが縄張りを奪い合っていました。

このほかにシダ植物で大きな発見があったのですが、精査の上、また改めてご紹介します。

八王子の中でも山深いエリアの一つ、上川町方面にはまだまだお宝が眠っていそうですね!


 
 
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