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クズのリーフアーティスト

7月28日、巡回清掃で別所・堀之内方面を廻っていると、あちこちでクズがつるを伸ばし、

繁茂してきていました。堀之内東山はぐくみの森緑地では、こんな光景を目にしました。

クズの葉を美味しそうに食べているのは、コフキゾウムシ(左)とクズクビボソハムシ(右)。

同じ葉っぱを食べているのに、食べ方が違いますね!コフキゾウムシは葉の縁を外側から

切れ込みを入れるように食べ進んでいるのに対し、クズクビボソハムシは穴開けスタイル。

2種類の昆虫が1枚の葉に集まり食べ進むと、やがてこの写真のようになります。見事な食べ

られっぷりです。クズの葉が穴ぼこだらけになっていたら、彼らの仕業に違いありません。

こちらの写真をご覧下さい。左端にコフキゾウムシが写っており、食べ跡もやはり2種類の

仕業・・と思いきや、もう1種、別の昆虫の食べ跡が混ざっていることに気が付きました。

写真の下の方にご注目下さい。迷路のようにくねくねジグザグに食べ進んだ形跡があるのが

わかりますでしょうか?この“くねくねジグザグ食痕”はクズノチビタマムシの仕業です。

さて、この辺りで一度、登場人物をおさらいしておきましょう。1枚目はコフキゾウムシ。

2枚目はクズクビボソハムシ。3枚目はクズノチビタマムシ。3種は異なる分類群なのです。

どの子もとても小さな甲虫であるにもかかわらず、その大食漢ぶりには驚かされますね!

ところで、葉に穴を開けることなく、葉の内部(葉肉)だけを器用に食べる昆虫もいます。

写真は、クズマダラホソガという蛾の幼虫が残した特徴的な食痕です。葉の内部に潜り込む

虫たちはリーフマイナーと呼ばれ、クズノチビタマムシも、幼虫の頃は潜行性があります。

・・ということで、あちこちで厄介者扱いされてるクズですが、葉に描かれた虫たちによる

アートを楽しんでみてはどうでしょう?食痕の犯人を探すのも、探偵気分で面白いですよ!


 
 
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