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オケラの不思議

  • Sep 16, 2025
  • 2 min read

9月13日、降ったり止んだりの曇天の下、大塚なかおね公園で「ににこフェスティバル」が

開催されました。今年もワークショップやステージ演目などで盛り上がっていたようです。

さて先日、出先からの帰りに野猿峠の雑木林を歩いてきました。ちょうど、オケラの花が

見頃を迎えつつあり、あちこちに咲いていました。魚の骨格のような特徴的な苞葉に注目

してしまいますが、花も面白い構造をしています。小さな花が集まって頭花を形作る点は

他のキク科植物と共通です。花は雌雄両全性異株といって、両性花のみを付ける株と雌花

のみをを付ける株が別々に存在します。一つ一つの花をよく見ると、雄しべが筒状になって

雌しべを取り囲んでいる両性花と、つるっと雌しべのみが顔を出している雌花の両方が

確認できました。1枚目は雌性期の両性花、2枚目は雌花、3枚目は雄性期の両性花です。

自家不和合性と相まって他花受粉を促す仕組みと思われ、アザミも同様の性質があります。

また、もう一つ興味深いのは、オケラの分布です。由木地区周辺でオケラを確認している

場所は、野猿峠のほかに、長沼公園、平山城址公園、堀之内寺沢里山公園、日野市程久保の

雑木林、多摩市和田のなな山緑地などが挙げられます。これらの場所を線で繋いでみると、

いずれも七生丘陵(※浅川と大栗川の中間に位置し、東西に長く広がる緑地帯)の連なりに

含まれることが分かります。ちょうど、都立多摩丘陵自然公園に指定された範囲とぴったり

一致しています。大栗川より南側では、同じような雑木林でいくらオケラを探しても、全く

見つかりません。つまり、多摩ニュータウン区域内の公園緑地には分布していないのです。

このような特異な分布を示す植物はオケラ以外にもいくつかあることを突き止めています。

その理由としては、開発によって見られなくなってしまったということも考えられますが、

地史的な要因が関わっているかもしれません。多摩丘陵は、成り立ちの異なる二つの面で

構成され、それぞれ多摩Ⅰ面、多摩Ⅱ面と名付けられていますが、由木地区周辺に限定して

みれば、オケラは多摩Ⅰ面を中心に分布する植物といえるでしょう。由木地区よりも南側の

町田市や横浜市にも点々と自生しているようなので、さらに視点を広げればわかることが

あるかもしれません。・・植物の分布を調べる面白さを伝えるつもりが、いつにも増して

マニアックな話題になってしまい、恐縮です。ちなみに長池公園にオケラはありません。


 
 
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