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オオハンゲとニガクサツボミフクレフシ

7月24日、市内西部の小さな民有緑地を調査中、林一面にオオハンゲが広がっていました。

南多摩エリアでは、ムサシアブミとともに見かける機会が急速に増えています。南方系の

日本固有種であり、関東のものは国内帰化とされていますが、薬用植物園などからの逸出も

多いと考えられます。近年は著しい気候変動の影響もあり、本来、暖かい地域に分布する

植物の多くはいったいどこまでが自然分布なのかの判断がいっそう難しくなっていますね。

オオハンゲは、冒頭の写真のように大きく切れ込んだ葉っぱが特徴なのですが、成長初期の

葉っぱはカラーの葉っぱによく似たシンプルな形をしています。成長順に並べてみました。

それにしても見事な群落です。グラウンドカバー状に広がる様子は初めて見る光景でした。

その群落のそばに、ニガクサとツルニガクサが混生していました。この仲間には虫こぶが

よく見られるということが図鑑などに書いてあるのですが、初めて実物に出会えました。

つぼみの部分が膨らんで不思議な形になっています。ニガクサツボミフクレフシと呼ばれる

虫こぶで、ヒゲブトグンバイという昆虫の仕業だそうです。なかなか凄いビジュアルです!

この日はもう一か所、調査を行いました。アオハダの果実やヒメドコロの花が見頃でした。

これにて、今シーズンの調査仕事はいったん終了です。後半戦は暑さとの闘いでした・・

おまけ。植物調査では、小さな樹木の実生も種を判別して記録します。写真の2種は各地で

よく目にする種類なのですが、互いによく似ていますね。それぞれ何の木かわかりますか?

 
 
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