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なりすます甲虫たち

5月23日、しばらく見に行っていなかった長池公園内の材木置き場に立ち寄ってきました。

カミキリムシやタマムシの仲間が、そろそろ産卵に訪れているのではないかと期待して・・

天候や時間帯が悪かったため、材木上に虫影はほとんどありませんでしたが、近くのクズの

葉裏にクビアカトラカミキリが止まっていました。胸部の赤色が何ともお洒落な種類です。

トラカミキリの仲間の多くは、ハチに擬態することで小鳥などからの被食を防いでいます。

では本種は何に化けているのかというと、なるほど、アリバチの仲間に柄がそっくりです!

やはりカミキリムシの仲間は“なりすまし”の達人ですね。なりすまし繋がりでもう一種。

材木の上をゆっくり歩いていたゴマフカミキリです。こちらは見てのとおり、地味な柄。

もちろん、背景の樹皮になりすましています。オーソドックスな擬態ですがお見事です!

カメノコハムシの仲間が2種見つかりました。園路沿いのヒカゲイノコヅチの葉上にいた

イノコヅチカメノコハムシと、カラムシの葉上にいたイチモンジカメノコハムシです。

どちらも甲虫とは思えない不思議な姿をしていますが、これも“なりすまし”なのです。

小鳥に食べられないように、小鳥のあるモノに化けています。そう、あるモノとは糞です。

「あれ?こんなところに糞したっけ?」なんて騙されているかはわかりませんが、小鳥の

目を欺く、さすがのなりすましだと思います。クワコやアゲハの幼虫も糞擬態の名手です。

ところでこの日は、由木あすなろ保育園年長クラスの皆さんが長池公園へやってきました。

彼らは今年、園庭のモニター付き巣箱でシジュウカラの子育てを観察した、巣箱仲間でも

あります。「鳥はオシッコをしないの?」、「シジュウカラの糞はどうして丸いの?」など

たくさんの素晴らしい質問を投げかけてくれました。野鳥の生態は十八番なので、よくぞ

聞いてくれました、とばかりに、一つ一つの質問に精一杯、お答えさせていただきました!

そしてせっかくはるばる歩いてきてくれたので、園内で少し自然観察も楽しんだのでした。

先日の青い帽子の皆さんに続き、この日は黄色い帽子の皆さんにすっかり癒された私です。


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