ど根性ソバと街なかの植物
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 19 時間前
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5月20日、担当する専門学校の実習の締め括り、筆記試験監督のために日中は都内へ出張。
昼休みを兼ねて、住宅街の道草観察をしながら散策してみました。距離にして2駅分です。
歩き始めてまず最初に目に入ったのは、なんとソバの花でした。ソバというと秋の印象が
強いのですが、夏蕎麦の花は5月がピークなのですね。こぼれ種から発芽したのでしょう。
それにしても、すごいところから生えています。アスファルトの隙間からにょきっと伸び、
畑でもないのに見事な花付きではありませんか!荒れ地でもよく育つ作物とは、納得です。
ちなみにソバは5つの色を持つことで知られています。花の白、茎の赤、葉の緑、根の黄、
そしておなじみ実の黒です。開花期の白が結実期には黒に・・まるでオセロのようですね。
新宿の高層ビル群を見上げる繁華街の一角には、イラクサ科のコケミズが生えていました。
じつはこの植物、東京都では絶滅危惧種に指定されています。確かに、山地や丘陵地では
見かける機会の少ない種類です。しかし、なぜか都心の住宅地や繁華街の植え込み、湿った
路傍などにはたくさん生えているのを目にします。ルーツは不明ながら興味深い現象です。
こちらのクワのようなコウゾのような樹木、正体はカジノキです。全体に毛が目立つのが
他種と見分ける一番のポイントです。新宿区や台東区をはじめ、都内の植え込みから発生
しているのをよく目にします。イヌビワなどとともに都心ならではの一種といえそうです。
カジノキは、木の皮が紙を作るための繊維に、実が食用に、葉が家畜の餌や短冊の代わりに
使われるなど、かつてはかなり多用途な樹木として重宝されてきました。万能植物ですね!
真夏日となったこの日、長距離を歩くには暑すぎましたが、癒しのひとときとなりました。