春の花らんまん
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 3月26日
- 読了時間: 3分
3月24日、身の回りの草木が次々と開花し、一気に春が押し寄せてきたような感覚ですね。
長池公園と周辺で目に付いた草花と花木にカメラを向けてみました。観察の参考にどうぞ!
まずは私の一押しから。自然館中庭で踊るように咲き始めたのはジロボウエンゴサクです。
スミレを“太郎坊”、本種を“次郎坊”と呼んで距の部分を引っかけ合って遊んだことから
その名が付けられたといいます。どこにでもあるスミレと違って、こちらは見られる場所が
少し限られており、松が谷の傘平緑地付近や長沼公園などには比較的多く生育しています。
長池公園のものは他所からの移植品です。外見が似ているムラサキケマンとは、葉の形が
異なり、こちらは小葉が尖らず丸っこいのが特徴。何度も見たくなる魅力的な野草ですね!
由木地区周辺にのみ分布する地域固有種のタマノホシザクラも開花しています。自然館前や
水辺観察ボード向かいなどに全部で4本が保護移植されており、どれもよく咲いています。
パーキッズの子どもたちが黒色膏薬病を一生懸命取り除いてくれたので、心なしか元気を
取り戻したようにも見えます。花は半開でほんのりピンクに色付き、萼片が美しい星形を
しているのが特徴です。多摩境の片所谷戸が発祥の地で、そこから他のサクラ類に混ざって
各所に移植されたり、土ごと移動されたりして広がったのではないかと推測されています。
それを証拠に、多摩ニュータウンエリアではURが施工した公園緑地には自生せず、東京都の
施工した公園緑地に限定して分布しています。範囲としては小山と南大沢、飛んで松が谷と
鹿島で見ることができます。松が谷・鹿島地区の公園緑地は私どもの管轄なので、全個体を
マーキングし、樹名札を付けたり、樹勢や開花状況のモニタリングを進めたりしています。
タマノホシザクラよりも一足早く咲き始めていたこちらはヤブザクラです。ヤブザクラも
タマノホシザクラと同様、マメザクラとエドヒガンの自然交雑によって生じた雑種群の
一つとされていますが、その分布はやや広く、関東西南部の丘陵地に点々と生育します。
花は大きめで全開し、花びらは白色、萼片は丸みのある裂片の縁にギザギザがあります。
長池公園ではタマノホシザクラと隣り合って植栽されているので、見比べてみて下さいね。
そして何といっても今一番に輝いているのは、バス通りに沿って列植されたヨウコウです。
アマギヨシノとカンヒザクラを掛け合わせて作出された栽培品種のサクラで、鮮やかな
ピンクが目を引きます。長池公園の前の通りに全部で何本植えられているのか数えてみた
ことがあります。その数、なんと200本!今週いっぱい、桜のトンネルを楽しみましょう。
その他の花木です。自然館中庭のアーモンド、ハナモモ、自然館周辺のシナレンギョウ、
園内各所で見られるウグイスカグラ、キブシ、最後の一枚はウワミズザクラの芽吹きです。
いつしか、足もとの雑草も色々な種類が咲いていました。ダイジェストでご紹介します。
アマナ、ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)、スズメノエンドウ、ムラサキツメクサ、
ホトケノザ、ヒメオドリコソウ、トキワハゼ、オオイヌノフグリ、キュウリグサ、ナズナ、
ミチタネツケバナ、オランダミミナグサ、カントウタンポポ、ノボロギク、スズメノヤリ、
セイタカハハコグサ、アオスズメノカタビラ、スギナ、コメツブツメクサ、イモカタバミ、
カタバミです。これだけ一斉に咲き始めると目移りしてしまい、なかなか前に進みません。
でもいいのです。すたすた歩くなんてもったいない!道草食って、春を味わいましょう!
おまけ。中央園路では、里山保全隊の皆さんが清々しく下草刈りに汗を流していました!