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「」に対する検索結果が487件見つかりました

  • ウラシマソウと巣箱の新入居者

    4月12日、来客対応や打ち合わせに追われた一日でした。合間に開花中の植物をチェック! 昨日の記事にもちらっと登場したウラシマソウ。こちらはながいけの道沿いのものです。 傘を差した紳士のように見えて、思わず撮影してしまいました。付属体という器官が 糸のように長く伸びており、これを「浦島太郎が垂らした釣り竿」に見立てたのだとか。 ウラシマソウは、ここ10年くらいで急増した植物の一つです。南方系の植物全般にいえる ことですが、以前は無かった場所でも生育が確認されるようになり、今では内陸部の 八王子でも普通種になっています。自宅の裏山にもいつの間にかたくさん咲いていたので、 もはや“ウラヤマソウ”です。今後、このペースで増え続けるのかどうか気になりますね。 自然館駐車場の林縁にゴヨウアケビの花が咲いていました。左が雄花、右が雌花です。 5枚1セットの葉を持つアケビと3枚1セットの葉を持つミツバアケビの種間雑種で、 比較的よく見かけるものです。雑種なので、おなじみの果実は残念ながら実りません。 葉は5枚1セットですが、縁が緩く切れ込む点はミツバアケビの特徴を受け継いでいます。 満開のヤマブキをよく見ていくと、この子がたくさんいます。ヤブキリの赤ちゃんです。 この時期はこんなに可愛らしくて、花粉や花びらをパクパク食べているのですが、 大人のヤブキリは昆虫界きっての名ハンター。誰もが恐れる存在に成長していくのです。 さて、この日は嬉しいニュースがありました。自然館前のカメラ付き巣箱にシジュウカラが 巣材を運び込み始めていたのです!すでにヤマガラが卵を抱いている中庭の巣箱とともに、 同時に2種類の小鳥の繁殖の様子が観察できることになります。これは楽しみですね!!

  • トホシクビボソハムシとエグリグンバイ

    4月11日、今年度も民有緑地の調査のお仕事が始まり、市内各地を廻り始めました。 この日はよく晴れた調査日和で、多くの草花を同定に苦労することなく記録できました。 そんな中、全体の特徴はクコっぽいけれど、いまいち自信の持てない植物が現れました。 草刈りの影響なのか、全体に寸詰まりで葉がくたびれて、パッと見が別人だったのです。 その葉上にはおびただしい数のハムシが集まっていました。ハムシは種類によって食草が ほぼ決まっているので、ひょっとしたらハムシの種名を調べた方が早いかもと思いました。 調べてみると、トホシクビボソハムシであることがわかりました。名前のような“十星”の 斑紋があったり、あるいは全く無かったり、個体によって模様が違うのが面白い特徴です。 さて、このトホシクビボソハムシの食草はなんとクコ一択とのこと!予想どおり、グルメな ハムシのおかげで正体を確定することができました。ハムシのほうが眼がいいんだなぁ・・ 調査中の一コマです。順に、フタホシハバチ、ジロボウエンゴサク、マルバスミレ、 クサボケ、ジュウニヒトエ、ウラシマソウです。里山らしい植物が豊富で楽しくなります。 調査を終えて長池公園に戻ると、中央園路(駐車場裏)のホタルカズラが開花していました。 濃い緑の茎葉が絨毯のように広がり、その中に瑠璃色がポツポツと浮かび上がっています。 カタクリ観察路入口のワダソウ、カタクリ群落内のイチリンソウ、そして梅園付近では フデリンドウも咲いていました。雑木林の芽吹きのシーズンに花盛りとなる花たちですね。 つくいけの道の左手、斜面の上のほうにヤブレガサの群落があります。面白い形の芽生えが 落ち葉を掻き分けて伸びてきました。その葉上に、面白い形をした昆虫を見つけました。 前胸に風船のような突起があります。まるで、遊園地のアトラクションに乗る時に首を 守るために上からカポッと下がってくるアレのようです。(安全ベルトだったかな・・?) この不思議な昆虫はエグリグンバイというグンバイムシの仲間。ふだんは自然館前にある フキの葉の裏などでよく目にする昆虫ですが、同じキク科のヤブレガサで見たのは初めて。 新しい観察スポットを発見できて大満足です!昆虫と植物の繋がりを味わった一日でした。

  • バアソブの赤ちゃんとクチナシグサ

    4月10日、マスターズプログラムの活動として、堀之内東山はぐくみの森緑地内にある 希少種バアソブ自生地の保全作業を行いました。前回訪れた際は、クヌギの大木が バタンと群落の上に倒れており、愕然としました。今回は、予めそれらを解体しておいて もらったので、丸太や枝を運び出し、侵入したマダケの除伐なども行うことができました。 このちんまり可愛らしい芽生え、じつはバアソブの赤ちゃんなのです。ふわふわの毛に 覆われて、落ち葉の間からたくさん顔を出していました。思わず撫でたくなりませんか? 少人数ながらも手際よく作業を進めていき、見違えるほどすっきり綺麗になりました。 作業中は、ワニグチソウの蕾や、あたたかさに誘われて出てきたニホンカナヘビも観察! バアソブ群落の周辺には他の林床植物も数多く芽生えてきており、とても賑やかでした。 何の植物なのか大きく育った姿を想像して推理しながらの観察は、俄然、盛り上がります! 中にはスミレ類のように、すでに花を終えて葉をより大きく広げているものもあります。 順に、ツルニンジン、ツリガネニンジン、ヤマハッカ、カノツメソウ、ヤブニンジン、 コボタンヅル、アカショウマ、ナワシロイチゴ、ミツバツチグリ、シラヤマギク、 ノアザミ、ナガバノスミレサイシン、ツボスミレ、タチツボスミレ、アオイスミレ、 オカトラノオ、アカネ、スイバ、ヤマホトトギス、コバギボウシ、キツネノカミソリです。 合っているかどうか、その答えは夏までお楽しみ。全然外していたらごめんなさい! 作業を終えた一行は、堀之内沖ノ谷戸公園へ足を伸ばしました。目的は、保護柵を設置して 保全に取り組んできたクチナシグサの開花状況を確認することです。再発見された当初より 個体数は減っているものの、ポツポツと咲き始めていました。保護柵を設置したことで、 芝刈機による壊滅的なダメージは予防できましたが、そのぶん、周囲の草は容赦なく伸びて くるので、特に夏場は何度か手作業での選択的除草を行わなければ生育を維持できません。 引き続き、ボランティアの皆さんの力をお借りして手を入れていきたいと考えています。 このように、あるエリアを囲ってまるっと保全する手法では、同じような環境に生育する ほかの里山植物も守ることができます。ここではジュウニヒトエも生き生きしていました! そしてそのジュウニヒトエには、春の妖精、ビロードツリアブが何匹も訪花していました。 近くに咲いていたタンポポの頭花には、春を代表する甲虫、モモブトカミキリモドキの姿。 “モモブト”の名前どおり、後ろ脚の付け根がもりっと太くなっているのが特徴です。 保全作業と観察を終えると、お昼をまわっていました。時間が経つのはあっという間です。 自らの手で地域の自然を守る楽しさ。皆さんと分かち合うのはじつに幸せなひとときです。 おまけ。自然館巣箱のヤマガラです。抱卵8日目。この日も頑張って温めていましたよ!

  • 桜流しの雨

    4月9日、天気予報どおり、お昼ごろまで強い雨となりました。桜の花も見納めかも・・と やまざと広場を通りかかった時に、思わず二度見してしまうこんな光景に出会いました。 風雨で辺り一面に散らばったオオシマザクラの花びら。その中にハートを見つけたのです! “これは何だろう?”拾い上げてみると、正体はテイカカズラの紅葉した葉っぱでした。 近くの生垣からこぼれ落ちたようですが、こんな形の葉を見たのは初めてかもしれません。 まさに「桜流しの雨」となり、多くの花がこの日の雨で散ってしまったようです。 散った花びらがあちこちに柔らかな模様を描いていて、その様子もまた美しいものですね。 所用で市内を廻った帰り、車窓から見頃の桜が見える度についカメラを向けてしまいます。 1~3枚目は鑓水I.C付近、4・5枚目は大栗川沿いの桜並木、6枚目は長池公園のコウカです。 移動中に見かけたその他の植物です。順に、アリアケスミレ、ノヂシャ、ツボミオオバコ、 カントウタンポポ、スズメノエンドウ、ドウダンツツジ。皆、雨でも健気に咲いています。 おまけ。先日掲載したエンドウ3兄弟(ヤハズエンドウ、カスマグサ、スズメノエンドウ)の 果実を撮ることができました。さやの中に入った豆(種子)を数え比べてみて下さいね!

  • 春に三日の晴れ間なし

    4月8日、木々の葉が一気に芽吹いてきました。新緑の中、満開のヤマブキが映えますね。 自然館の前庭では、ヒトリシズカが咲き、アマドコロも開花まであと少しというところ。 オオシマザクラが見頃を迎えたやまざと広場では、カントウタンポポのお花畑が一面に! 例年、この芝生には黄色い絨毯が出現します。観察は晴れの日の午前中がおすすめです。 軽トラの前を横切ったカラスが何かを咥えていました。よく見てみると、麻ヒモでした。 脚で片方を押さえて、嘴を使って器用にほぐしています。巣の材料調達に違いありません。 翌日の大雨に備えて姿池の栓を開けにいくと、珍しくチョウゲンボウが飛んでいきました。 足もとには、ツメクサ三兄弟(キヌイトツメクサ・イトツメクサ・ハマツメクサ)が開花中。 これらについては、引き続き分布拡大動向の調査を続けており、情報を募集しています。 特にキヌイトツメクサとイトツメクサは、この数年の間で急速に分布を広げています。 それぞれの特徴などは昨年の記事をご覧下さい。ツメクサ探求レポート (h-yugi.org) 姿池を見下ろす法面では、マルガモ(カルガモ×マガモ)の雄がお花見(?)していました。 こちらはせせらぎ緑道(お月見公園下流、せせらぎ北団地側の歩道沿い)のコケリンドウ。 午前中は日が差していたので、花もよく開いていました。とても可愛らしいサイズです。 ニュータウンエリアはフデリンドウばかりで、コケリンドウにはなかなか出会えません。 南大沢八幡神社の入口付近にあったものは工事で姿が見えなくなってしまったので、 由木地区全体で見ても、現在では鑓水や中山方面の谷戸に点々と見られるのみです。 ニュータウン内に残る貴重な生育地、いつまでも大切に見守っていきたいものですね。 夕方から、雨がパラパラと降り出しました。緑地の作業を早めに切り上げた皆さんと、 某所でエナガの巣を観察しました。雨ざらしで大丈夫なのか心配になってしまいますが、 外装のコケと内装の羽毛で、内部はしっかり保温されているのでしょう。親鳥が出入り する様子は見られず、抱卵中の可能性が高いので、近付かずにそっとその場を離れました。

  • 街なかのスミレ観察

    4月7日、先週4日の午後は松が谷方面の公園緑地を巡り、見頃の花などをご案内しました。 途中、遊歩道を外れて住宅街を抜けていくと、あちこちでスミレの仲間と出会いました。 アスファルトの隙間から顔を出したヒメスミレ、花の隣に小さな種子が並んでいました。 以前も紹介したことがあるとおり、スミレの仲間は、訪花昆虫の多い春先の開花時期が 過ぎると、閉鎖花という蕾のまま終わる花をいくつも付け、自家受粉してタネを結びます。 初夏以降は写真のような光景をよく見かけますが、春先にはあまり見る機会はありません。 もしかすると、開放花が昆虫の働きによって運良く受粉し、結実した姿かもしれませんね。 3つに裂開した果実の上に整然と並んだ種子。これらは乾燥すると両側の果皮が内側に 閉じて、押し出されるように弾き飛ばされます。枝豆を食べる時に、サヤを押してプチっと やる、あの要領です。※同じ原理を使い、私はよく指でドングリ飛ばしも楽しんでいます。 弾き飛ばされた種子はそれなりに遠くへ運ばれますが、そのあと今度はアリに見つかって 巣に持ち帰られるため、さらに広い範囲へと分布を広げていくことになります。 アリによる運搬や不要になった種子の搬出など、今度じっくり観察してみたいものです。 ヒメスミレよりも大きくて全体に毛が目立つノジスミレも、路傍や芝生で目に付きました。 いかにも雑草的な風情が私好みの種類ですが、ほかの凛としたスミレ類のほうが人気・・ でもこのノジスミレには、とっておきの観察ポイントがあります。それは花の香りです。 もし嗅いだことがなければ、ぜひ花に顔を近付けて心地好い香りを楽しんでみて下さいね! 最後に紹介するスミレはあまり聞き慣れないかもしれません。ニショクアツバスミレです。 この名前は園芸上の流通名であり、スミレの海岸型変種であるアツバスミレの中から選抜 されたものと言われています。それらが庭先などから逃げ出して、野生化しています。 光沢のある分厚い葉っぱと、ツートンカラーでおちょぼ口のような形をした花が特徴です。 これを、野生種のアリアケスミレと誤認しているケースがとても多いのでご注意下さい。 こちらがアリアケスミレ。確かに、アリアケスミレもニショクアツバスミレと同じような 身近な環境にありますが、花や葉っぱの様子、生え方などを観察すれば一目瞭然ですね! 街なかで見かけるスミレの中には、ニショクアツバスミレのように園芸品種が逸出して 広がっているものも少なくありません。コスミレ系の“コスミレサクラ”、ヒメスミレ系の “たづ姫”、アメリカスミレサイシン、コモロスミレ(八重咲きのスミレ)などがあります。 困ったことに、野草図鑑に載っていないものがほとんどなので、調べるのも一苦労です笑。 さて、最後に昨日のクイズの答えはこちら。正解はスズメたちが砂浴びを行った痕跡です! 簡単でしたかね?笑。※これらの写真は、ずいぶん前にTDLの待ち時間に撮ったものです。

  • 顔なじみの雑草たち

    4月6日、朝から窓越しに、イワツバメたちが鳴き交わす賑やかな声が聴こえてきました。 自宅そばの花壇ではハハコグサが咲き始めていました。仲良く並んでシンクロしています! 最近は外来種のセイタカハハコグサやアイセイタカハハコグサ、チチコグサ外来種群を目に する機会が多く、それよりもずっと古い時代から日本に定着しているハハコグサを見ると、 なんとなくほっとした気持ちになります。決して、減少しているわけではないのですが・・ 先日紹介したシロイヌナズナは、わずか1週間のうちに新しい株が次々と成長してきて 花を咲かせていました。そういえば、成長が早く一生のサイクルが短いことも、この植物が 研究のモデル植物として盛んに用いられてきた理由の一つだったことを、思い出しました。 そして、いつの間にか我が団地にもイトツメクサが蔓延っているのに初めて気付きました。 身近な環境の主役ともいうべき雑草の世界は、刻々と変化し続けています。毎シーズン、 記録を取りながらモニタリングしていくことの面白さ、大切さを教えてくれる存在です。 ヤハズエンドウ(カラスノエンドウ)に続き、それよりもずっと小さな花を咲かせる2種、 スズメノエンドウとカスマグサも花盛りです。カラスとスズメの間で“カスマ”という 安直な(覚えやすい)名前が付けられた話は有名です。カスマグサは雑種や中間種ではなく、 別種なのでご注意を!花の大きさではなく花数が異なり、果実のサヤの中に入った種子の 数もポイントで、カラスは5~10個、スズメは2個、カスマは4個と明確に違いがあります。 さて、今日は最後にクイズです。マンションと芝生の間のわずかな空間に広がる砂地に上の 写真のような痕跡を見つけました。これらは誰の仕業でしょう?答えは次回、お楽しみに!

  • ミツバツツジ2題とグリーンワイズ本社見学

    4月5日、駐車場の鍵開けで南エントランスゾーンを通りがかると、目の覚めるような 鮮やかなピンク色が目に飛び込んできました。正体はトウゴクミツバツツジの花です。 葉に先駆けて花を咲かせるのがこの仲間の特徴ですが、すでに葉も芽吹き始めています。 ミツバツツジの仲間を見分ける重要な手がかりは、雄しべの本数と雌しべの花柱の毛です。 トウゴクミツバツツジの雄しべは10本で、花柱の下のほうには縮れた腺毛が生えています。 長池公園では、外周緑地と南エントランスゾーンの各所に植栽されており、今が花盛り。 一方、園内にはミツバツツジも植栽されています。自然館周辺や体験ゾーンで開花中です。 こちらは雄しべを数えると5本しかなく、花柱はつるっと無毛ですので比べてみて下さい。 左がトウゴクミツバツツジで右がミツバツツジ。前者がより鮮やかで葉の展開も早めです。 夕日展望台下では、思わず立ち止まってしまうようなこんな光景も楽しむことができます。 トウゴクミツバツツジのピンクを背景に、キブシが薄黄色の雄花序を垂らしています。 やまざと広場のオオシマザクラも、お花見にはちょうど良いくらいの咲き加減です。 芝生広場のソメイヨシノやバス通りのヨウコウが圧倒的に人気ですが、こちらもおすすめ! さて、この日は大塚西公園のすぐお向かいにあるグリーンワイズ本社を訪問しました。 お仕事の打ち合わせと併せて、私たちスタッフ向けの見学会+交流会を企画していただき、 笑顔溢れる職員の皆さんとの交流を楽しみました。グリーンワイズは創業115年を迎える 歴史ある企業ですが、今も、緑を生かした緑に優しい取り組みを次々に提案し続けており、 私たち公園管理者にとっても大きな刺激と学びがありました。また、南多摩においては、 環境省自然共生サイトに認定された数少ない同志でもあり、今後は生物多様性拠点どうし、 サイト間交流、サイト間連携も、積極的に進めていけたらと考えています。お忙しい中、 時間をとって、もてなして下さったあたたかい職員の皆さんに、改めて感謝申し上げます。 出先で即席自然観察会が始まってしまうのはいつものこと。本社敷地内には、想像以上に 豊かな生物多様性が育まれていました。ヤマガラ、ビンズイ、シメなどの群れが現れ、 並木の樹名板の裏にはニホンヤモリの親子も。法面にはジュウニキランソウ(種間雑種)や ジュウニヒトエが咲き始め。勝手に始まった自然観察を、“生物多様性モニタリング”と それっぽく名付けて、そっと見守って下さった職員の皆さんには頭が上がりません。 帰りに立ち寄った大塚西公園では、ソメイヨシノが満開でした。週末はお花見日和かな!?

  • なな山緑地の植物

    4月4日、現地の方からある依頼を受け、なな山緑地(多摩市和田)まで出張してきました。 以前も何度か訪れているのですが、なな山緑地の会の精力的な活動は目を見張るものが あり、緑地内の雑木林は本当によく手入れが行き届いています。そして何といっても、 会の皆さんがとても生き生きと活動を楽しんでおられ、お一人お一人の緑に対する愛情と あたたかいお人柄が印象的です。今回も、特別に緑地内をご案内して下さりました。 この場所を初めて訪れた時のことが、なな山緑地の会のブログに詳しく書かれています。 自然観察会の実施(2020/2/5):なな山緑地の会活動記録:SSブログ (ss-blog.jp) あれからコロナ禍やナラ枯れの蔓延など、ボランティア活動の継続にも様々な困難が あったことは想像に難くありませんが、当時その個体数に驚いたニオイタチツボスミレの 群落は健在で、ちょうど花盛りでした。本種は雑木林の林床管理に依存する指標種でも あり、それだけでも、手入れを絶やさずに続けてこられたことが伝わってきました。 自生ではありませんが、多摩市や川崎市では各所で栽培品が逸出しているヒゴスミレです。 本来は低山地の針葉樹林下などに生えるもの。ここはどうやら居心地が良いようですね。 2020年に訪れた際に偶然見つけた希少なシダ、ギフベニシダとコバノイシカグマの小群落、 すぐに目印を立てて保護して下さったものです。現在も、元気に育っていて安心しました。 大好きなモエギスゲがたくさん穂を伸ばしていたので、しゃがみ込んで観察していると、 「どれどれ?」と即席観察会が始まりました。花茎のてっぺんにある雄小穂は“畳”の ような優しい色合いの模様を作っています。この良さをわかってもらえて私は大満足です! 「植物ばかり見て、私を忘れないで~!」とビロードツリアブがカメラの前でホバリング。 訪問の目的は別にありましたが、すっかり、なな山緑地の春を満喫してしまいました。 現在は、ナラ枯れや風雪害による危険箇所も多いため、アポなしでの散策はお控え下さい。 いずれ安全が確保され、散策を楽しめるようになれば、多くの方にこの素敵な里山へ お出かけいただきたいと思います。ご案内して下さった会の皆さまに感謝申し上げます。 追記:この日は午後から観察会の下見で松が谷方面へ。レポートはまた機会を改めます!

  • 観察ゾーンの花暦

    4月3日、朝、事務所までウグイスのさえずりが聴こえてきて、皆で耳を傾けました。 午後からの会議に備えて(?)、観察ゾーンの植物の開花状況などを見て廻りました。 予報よりも早く雨が降り出したため、雑木林トレイルの途中で引き返しましたが、 自然館周辺からながいけの道までの間で見頃の植物を中心に、一挙、ご紹介します。 中央園路から長池へ下る階段の途中、足もとにセンボンヤリが点々と咲いていました。 花びらは表から見ると白いのですが、裏側がピンクから紫色を帯びています。このことから “ムラサキタンポポ”の異名もあります。曇天のため、ほとんどの花は開ききっておらず むしろムラサキタンポポの名にふさわしい姿を見せてくれました。一見の価値アリです! センボンヤリは、鹿島・松が谷方面ではそれほど珍しいものではありませんが、長池公園に 出現するようになったのは2、3年前のこと。今では園内の数ヶ所で確認されています。 長池では、満開のヤマザクラが水面に張り出していて見事です。花と葉のコントラストが 美しく、いつまででも見ていられますね。日本の桜といえば、やはりヤマザクラでしょう。 ながいけの道では木々の芽吹きの瑞々しさに目を奪われます。写真はそのほんの一部 ですが、順にイヌシデ、イボタノキ、クマイチゴ、クロモジ、ミツバウツギの若葉です。 クロモジは芽吹きとともに花も咲かせています。新緑の中からアオジのさえずりが聴こえて きました。声のするほうに目を凝らすと、隠し絵の中からその姿を見つけられました。 カタクリ観察路の入口付近では、南大沢の自生地(※現在は立ち入り不可)から移植された ワダソウが一輪、そして、園内自生品を一部移植しているイカリソウが開花していました。 小雨がぱらつき、ニリンソウは首を横にもたげていました。そのほか、目に付いた草花は 青紫色の唇形花が目立つキランソウ、草むらを淡紫色に彩るタチツボスミレなど。 こんな天気でも、カタクリ自生地の様子を覗きにいらっしゃる人の多さに感動しつつ、 ついつい来園者とのおしゃべりに花が咲きます。カタクリ群落の中からぽつぽつとスミレが 顔を出していました。ナガバノスミレサイシンです。距の形や葉っぱに特徴があります。 ながいけの道の谷側は適度に湿っていて日当たりも良く、天然のお花畑が広がっています。 珍しい植物ではありませんが、谷底部ではカキドオシとタネツケバナが花盛りでした。 自然館への帰り道、いくつか可愛い光景に出会いました。ツクバネウツギの若葉に 入り込んで一休みするナミテントウ、ネコハギの赤ちゃん、クロモジの花です。 植栽のバイモは早くも枯れ始めていましたが、お隣のヤブサンザシ(雄株・小山ヶ丘産)が 開花ピークを迎えていました。一つ一つの花は地味ながら、雌株よりも花の数が多くて 見応え十分です!ぜひ自然館事務所前の雌株と、花の違いを見比べてみて下さい。 自然館が見えてきた頃、雨はいつの間にか本降りになっていました。咲き始めたばかりの ヒトリシズカをはじめ、マルバスミレ、ヤマブキなどが駐輪場の道向かいで開花中です。 植物の最盛期となり、私自身が追い付かないくらいですが、皆さんもぜひ観察ゾーンでの “花さんぽ”を楽しんでみてはいかがでしょうか?きっと新しい出会いが待っているはず! さて、お待ちかねのヤマガラですが、産卵は6個で終了したもようです!これから当面は 抱卵期となりますので、卵が孵るまではモニター越しにそっと見守っていきましょう。

  • コヒガン

    4月2日、モノレール松が谷駅近くの傘平緑地で剪定枝の搬出作業を実施しました。 作業場所に着くとすぐに、空高くツミ(小型の猛禽類)が鳴きながら舞い、満開の桜が 出迎えてくれました。そして、近くのお店からは珈琲豆の芳しい香りが漂ってきました。 緑の中での作業は、たくさんの春が五感を刺激します。その心地良さといったら! さて、その満開の桜がこちら。“コヒガン”という栽培品種で、エドヒガンとマメザクラが 関与して作出されたといわれています。箒を逆さにしたような樹形で、花付きが良いのが 特徴です。萼筒にエドヒガンの特徴がよく表れていて、付け根がぷっくり膨らんでいます。 先日紹介したタマノホシザクラやヤブザクラも同じ両親種の組み合わせですが、これらは 野生下で自然交雑によって生まれたものといわれており、だいぶ印象も異なりますね! この並びにはカシ類が生垣状に列植されています。中には1本だけ珍しいウラジロガシも 混ざっていたりします。それはそうと、以前も書いたように、今シーズンは常緑樹の 芽吹きに注目しています。ここではアラカシとシラカシがちょうど芽吹いていました。 新葉は鮮やかな赤茶色で、まるで龍が首を曲げているような躍動感があります。 午後からは小学校へ出かけて、3件の打ち合わせを行ってきました。子どもたちが春休みの 今の時期は、先生方とじっくり対面でご挨拶できる貴重な機会でもあるのです。 出張から戻ると、秋葉台小学校の4年生(昨年度)が製作してくれた野鳥新聞がずらり! 春休みに自然館のお仕事を手伝いに来てくれている、小学生ボランティアのMちゃんが 貼り替えてくれたそうです。どうもありがとう!向かいの壁面では新しい展示も開催中。 好評のヤマガラはどうなったでしょうか。・・卵が6個に!さあ、どこまでいくかな? 自然館も楽しい展示や取り組みがいっぱいです。お花見ついでにぜひお立ち寄り下さいね!

  • 枝垂れ柳と雪柳

    4月1日、進級・進学・ご就職など、新たな門出を迎える皆さま、おめでとうございます! 私ども公園スタッフも新しい体制となり、今年度もいっそう、より良い公園づくり、 街づくりに精を出していきたいと思います。本年度もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 さて、新年度一発目の作業、午前中はせせらぎ緑道で流れの落ち葉を回収しました。 せせらぎ橋下流ではシダレヤナギが満開でした。垂れ下がった枝が黄金色に輝いています。 枝垂れていても、一つ一つの花は一生懸命、体を反らして上を向いているのが健気です。 花のアップを撮ろうとして手を伸ばすと、瑠璃色に輝くヤナギルリハムシがいました。 柳は柳でも、こちらはバラ科のユキヤナギです。流れに沿って、各所に植えられています。 昨年、御岳渓谷で自生のユキヤナギを見ることができました。岩場に張り付いて、まるで 別人のようでしたが、水辺に植えられているほうが居心地良さそうに見えるのも納得です。 水際にはイカリソウが咲いていました。この辺りの雑木林にもわずかに自生しますが、 せせらぎ緑道で見られるイカリソウは全て植栽品のようです。姿池下流の石積みには、 葉っぱが常緑性のトキワイカリソウも植栽されており、対岸から観察することができます。 2・3枚目は、せせらぎ緑道の水辺でもっとも存在感を放っている植物、セキショウです。 青々と茂った葉はちぎると良い香りがします。気が付く人はほとんどいませんが、葉っぱを 掻き分けると、根元に写真のような花序をにょきっと伸ばしており、ちょうど見頃です。 アリスガワゼキショウと呼ばれる、全体に小型で葉幅が狭い園芸品種も植栽されています。 その他、せせらぎ緑道から長池公園までの遊歩道沿いで見かけた見頃の草木たちです。 順に、イヌシデ、イトツメクサ、コケリンドウ(蕾)、タチツボスミレ、ノゲヌカスゲ、 カシワバアジサイの芽吹きです。イトツメクサやノゲヌカスゲはとても身近な雑草ですが、 掲載されている図鑑が少ないこともあって、植物好きにすら見向きもされない存在です。 こういう植物こそ日の目を浴びてほしいので、また別の機会に改めて紹介していきます。 おまけその1。自然館中庭巣箱のヤマガラ、卵は5個になりました。この日は珍しく、 日中に卵を抱く様子を観察することができました。本格的に温め始めるのは全ての卵を産み 終えてからになります。さて、今年は何個産むでしょう?皆さんも予想してみて下さい! おまけその2。午後、長池公園内での作業を終えて戻ってきたスタッフからのお土産です。 コケと羽毛で作られたエナガの巣。新しく作られたばかりのようなので、最近の風雨で 落ちてしまったのかもしれません。先日、エナガの巣材運びについて記事にしたばかり だったので、タイムリーな発見でした。コジュケイやキジバトの羽毛が使われています。 今度、じっくり中身を解体しますので、それまでは宝もの展示に置いておきますね!

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