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「」に対する検索結果が475件見つかりました

  • 秘密の花園

    4月24日、朝から雨模様でした。作業などは中止となり、会議やデスクワークの一日に。 こんな日も必要と言い聞かせつつ、外のシュレーゲルアオガエルの声に耳を傾けます。 話は変わりますが、自然館の屋上が草屋根(屋上緑化)になっているのをご存じでしょうか? 屋上の芝地は、毎年ススキの刈り取りやヌルデの実生除去などを行って管理しています。 ここでは、もともと土壌中に種子を含んでいたと思われるものや後から入り込んだらしい 雑草まで、様々な植物を見ることができます。共通しているのは、どれも強い日照と乾燥に 強い種類であることです。環境的には、河川の高水敷と近いようで、植生も似ています。 イヌハギ、シラン、マルバヤハズソウ、ヒメジソ、ヒメスミレ、ウスベニチチコグサなどが 見られ、珍しいクルマバッタやオオセイボウといった昆虫も生息が確認されています。 現在、この草屋根で花盛りを迎えているのはこちらのマツバウンランという外来雑草です。 屋上への扉を開けた瞬間、目前には紫色のマツバウンランのお花畑が一面に!壮観です。 長池公園ではそんなに多くはない植物なので、やはりここだけが異空間のように感じます。 マツバウンランのお花畑の合間から、万歳をしているのはおなじみのハハコグサです。 そして、由木周辺では滅多に見られない植物も生育しています。キク科のノニガナです。 花はタビラコの仲間、総苞片はノゲシ、葉はニガナに似ている、ちょっと不思議な種類。 上の写真を撮ったのは夕方なので花がしぼんでしまっていますが、午前中には黄色い花を 咲かせていました。葉は先が細長く尖ってすくっと立ち上がり、とても特徴的です。 ちなみに3枚目はアカオニタビラコ(左)と並んで生えていたもの。結構印象も違いますね。 こぼれ種から発生した個体が自然館周囲でも見つかることがあるので、探してみましょう。 ・・ということで、今日は“秘密の花園”こと、自然館屋上に咲く植物をご紹介しました。 なお、自然館屋上は職員以外は立ち入ることができません。紹介のみでごめんなさい!

  • ビンズイと長池小つばさ学級プログラム

    4月23日、ながいけの道沿いの雑木林で、ビンズイの小群と出会いました。 セキレイの仲間らしく地上や枝でトコトコと歩いている様子を、じっくり観察できました。 このブログでの登場回数がやけに多いビンズイですが、私の好きな鳥の一つなのです。 以前も書きましたが、越冬期は草原や松林などで見られる一方、木々が芽吹いてくると 雑木林の内部に移動してイモムシなどの昆虫を食べています。5月連休明けくらいには 姿が見えなくなり、いつの間にか高地へと渡り去っていきます。長池公園でも、毎年、 渡来したばかりのキビタキなどの夏鳥と同時期に、ビンズイの姿が目立つようになります。 ビンズイたちのいた近くの林縁では、カマツカの花が満開でした。今年は当たり年ですね! 先週、長沼公園でオオバウマノスズクサが咲き始めていたことを思い出し、中央園路の つる植物園の様子を見てきました。やはりここでも開花していました。それもたくさん! 園内自生のオオバウマノスズクサを移植して、初めて花が咲いたのは数年前のことです。 それから開花数は順調に増えているように思います。なお、長池公園の本種は、研究者に よると、正確にはオオバウマノスズクサとタンザワウマノスズクサの雑種系統だそうです。 お隣ではハンショウヅルも咲き始めており、早速、コマルハナバチがやってきていました。 さて、この日は長池小学校つばさ学級の第1回生き物観察プログラムを実施しました。 今年度初回ですが、ほとんどの生徒が長池公園ですでにこの授業を経験しているので、 すぐにスイッチが入って次々に生き物を見つけてくれました。虫や小動物を手に乗せる ことに抵抗があった生徒も、慣れて大丈夫になっていたりと嬉しい変化もありました。 この日、一番注目を集めたのは、アオゲラの古巣を住処にしているアオダイショウです。 穴から顔を出して、辺りの様子を窺っているところをみんなでじっくり観察できました! 順に、ヒゲブトハナムグリ、ヨツモンクロツツハムシ、キセルガイの一種です。 小さな生き物たちへの優しい眼差し、ふれあい、そして、可愛いな不思議だなと関心を 持って1匹1匹と向き合うことができる心と時間のゆとり。大切にしていきたいですね!

  • アケビのポートレート

    4月22日、企業による里山整備活動の支援のお仕事で、市内北西部の緑地へ出張しました。 現場へ到着するとすぐに、キビタキやヤブサメ、ツツドリなどの囀りが聴こえてきました。 この辺りは山深く、以前、小学校付近にクマが出没して話題になったこともあるほどです。 現地での打ち合わせと下見をひととおり終えたあと、30分ほど周辺を歩いてみました。 午前中は雨がぱらついていたので、雨露の輝きと新緑の組み合わせがとても綺麗でした。 私はカメラや写真の知識が全くといっていいほど無いため、これまで、あくまでも記録の ために動植物の写真を撮り続けてきました。そんな私ですが、この時ばかりは美しい情景に 心を奪われて、うまく写真に収めたいなぁと欲が出たのです。近くに咲いていたアケビに カメラを向けてみました。結果、珍しく思いどおりの写真が撮れて自画自賛しています笑。 雨上がりの新緑もいいものですね!写真は順に、アブラチャン、アカシデ、カジカエデ。 この谷戸にはショウブが多く、水田跡の湿地に青々と茂っていました。それらの隙間からは ネコノメソウが顔を覗かせ、シラコスゲやコダイコンソウなど特徴的な植物もありました。 5枚目はガクウツギ、6枚目はミツバウツギです。今はウツギの付く樹木が多いですね。 アブラチャンの葉には、予想どおりヒゲナガオトシブミがいました。1・2枚目が雄で、 3枚目は雌。アブラチャンなどの葉を器用に巻いて揺籠を作る、おなじみの昆虫です。 足もとにはこんな虫がいました。てっきりハムシの仲間かと思って調べると、違いました。 ヨツボシテントウダマシというテントウムシダマシの一種のようです。むむ・・騙された! 「なかなかいいところでしょ?」とばかりに登場したヤマアカガエル。谷戸の豊かさを 象徴する存在です。もう少しゆっくり見て廻りたかったのですが、お楽しみは次回に。 後ろ髪を引かれる思いで現地を後にしました。今後の活動展開に期待が膨らみます。

  • こぼれ種

    4月21日、今週は季節の進行が一気に加速したこともあり、私の自然観察レーダーは ずっと鳴りっぱなし。仕事も忙しい時期だけに、もどかしく過ごした1週間でした。 この日は休みでしたが、長池公園では初記録となるコマドリの囀りが確認されたそうです。 場所は特別保全ゾーン内。別のスタッフが声を録音しており、情報提供してくれました。 先日17日の講座で、近年急増中の外来植物、コゴメイヌノフグリを観察している時に、 「どうしてこんなに増えるのだろう?」と皆さんの中で考察談義が繰り広げられました。 すると参加者の一人が、アスファルトの隙間にこぼれ落ちた種子を見つけてきました。 手にとってみると、なるほど、種子のくぼみには大きな白い物質がくっ付いています。 これはアリたちが好む甘い誘惑、エライオソームに違いありません。一つの果実には 4つの種子が入っていて、数としてはオオイヌノフグリの18個と比べてだいぶ少なめ。 その代わり、種子自体が大きいので目立ちますし、食べ応えもそれなりにありそうです。 コゴメイヌノフグリもオオイヌノフグリ同様に自家受粉によってバンバン種子を生産すると 推測されるので、種子の大量生産とアリ散布の組み合わせでどんどん増えるのでしょう。 ・・ということで、今週の記事で取りこぼしていた“こぼれ種”な話題を他にもいくつか。 こちらの羽は、先の講座の集合時に参加者の一人が京王線の高架下で拾ったものです。 この場所はイワツバメの巣を乗っ取る形でヒメアマツバメが営巣しているので、落とし主が ヒメアマツバメであることはすぐにわかりました。調べてみて驚いたのはその部位です。 翼の下側に並ぶ風切羽の一つで、次列風切(中央付近の数枚)という部位の羽でした。 小鳥の風切羽は、どの種類もだいたい同じ大きさと形をしています。特に先端の初列風切と 次列風切の長さはそれほど変わらないのが普通です。ところがヒメアマツバメではそれらの 長さが極端に異なっており、この羽がまさか次列風切だとは思ってもみなかったのです。 長年、様々な野鳥の羽を拾い集めてきた中で、こんなに短い次列風切は初めて見ました! 2枚の羽から、改めて、飛ぶことに特化した鳥の構造上の特殊さを実感したのでした。 難しい話はこれくらいにして、私のマヌケな顔とマヌケな笛の音をお楽しみ下さい笑。 水の入る前の田んぼに群生しているスズメノテッポウ、通称“ピーピー草”の先端の穂を 抜き取り、葉を下に折りたたんで吹いています。葉舌という白い膜がリード代わりになって 「ピーピー」となんともいえない音が出るのです。ぜひ皆さんも遊んでみて下さいね! おまけ。アカメガシワの可愛いスタンプです。赤い粉を吹いた若葉を紙に挟んで擦るだけ。 若葉を指で擦ると色が変わる“イリュージョン”を披露したら、参加者が「こんなのも できるよ~」と教えてくれました。いいこと教えてもらってばっかりな今日この頃です!

  • 昆虫二題とジュウニキランソウ

    4月20日、八王子市環境保全課主催の緑地保全講習会(第1回)が長池公園で開催されました。 今年度も講師を務めることになり、個性あふれる新しい受講者の皆さんを迎え入れました。 初回は午前中が座学、午後は園内を歩きながら里山の概要と手入れについて解説しました。 冬に特別支援学級の子どもたちが落ち葉を掻いてくれた林床は、ジュウニヒトエが一面に。 しばし観察タイムとなりました。じっと見ていると、花には様々な昆虫がやってきます。 なが~い触角がトレードマークの可愛いこの子は、ニッポンヒゲナガハナバチの雄です。 自分が可愛いということなど知る由もありませんが、このビジュアルは愛されて当然。 恐い、危険、がどうしても先行してしまいがちなハチのイメージを少し覆せたでしょうか? なお、シロスジヒゲナガハナバチというそっくりな種類もいて、翅の模様で見分けます。 そういえば、「みんなの長池」最新号の表紙がシロスジヒゲナガハナバチでしたね! もう一種、触角に特徴のある昆虫が集まっていました。ヒゲブトハナムグリの雄です。 季節外れですが、触角がまるでトナカイのよう。胸部の緑と腹部の紫も美麗ですね! つい先日も全く別の場所で見かけたばかりなので、よく見られる時期なのかもしれません。 南多摩エリアでは珍しい印象はありませんが、東京都全体では減少している種だそうです。 ところでこれらの写真は、ジュウニキランソウという植物です。互いに近縁で一緒に生える こともある、キランソウとジュウニヒトエの自然雑種といわれています。雑種なので、 花の色はキランソウ寄りのものからジュウニヒトエ寄りのものまで様々、立ち上がり方や 花の付き方、葉の付き方などは、両者の中間といえるような見た目をしています。 また、多年草のため、一度発生すると毎年同じところで見られることが多いようです。 雑種といいつつあちこちで普通に見つかるものですが、雑種形成を促しているのはじつは 先ほど登場した送粉者のニッポンヒゲナガハナバチやヒゲブトハナムグリだったりして!? 参考までに、両親種の写真も載せておきます。左がキランソウで右がジュウニヒトエです。 もはや講習会の話はどこかへすっ飛んでしまいましたが、このまま続けたいと思います笑。 夕方、手すりの昆虫を観察しながら里山トイレの鍵を閉めに行くと、色々見つけました。 園内各所のヤマグワでは、枝や葉を何匹ものハラグロオオテントウが歩き回っていました。 その他の昆虫は、順に、シラケトラカミキリ、カシワクチブトゾウムシ、アオメアブ、 アカスジキンカメムシ、コメツキムシの一種です。手すりが一段と面白くなってきました!

  • 今年もいたいた

    4月19日、昆虫の擬態といえば冬のイメージが強いですが、新緑の季節にも見事な擬態を 見せてくれる種類がいます。その一つが、エノキの幼木の枝先で見つかるこちらです。 アカボシゴマダラ(春型)の5齢幼虫が、芽吹いたばかりの葉に化けているところです。 じつは昨年の4月にも、この子たちを記事にしていました。新芽にかくれんぼ (h-yugi.org) 寒いうちは根元でスタンバイしていて、芽吹く直前は枝の付け根まで移動、そして芽吹きの タイミングに合わせて枝先へ歩みを進めていくようです。自分をわかっていらっしゃる! 5月連休頃には、あっという間に蛹化してしまうので、この姿を探すなら今のうちですよ。 捜索のヒントは、膝丈から背丈くらいの幼木で、葉が展開し始めているエノキを丹念に 見ていくことです。個体数は多いので、園路沿いのなんてことない木にもいるはずです。 長池公園は次から次へと見頃の花が移り変わり、自然情報ボードの更新も大忙しです。 私は「あそこにあれが咲いていましたよ!」とお知らせするだけなので、楽をしています。 綺麗な字で、見られる場所もわかりやすく整理して書いて下さる自然館スタッフに感謝! 写真は順に、クゲヌマラン、キンラン、ゴウダソウ、シロバナハンショウヅル、アケビ、 サルトリイバラ、ゴマギ、メギ、ハナイカダ。いずれも園内で、現在開花中のものです。 出張からの帰り道、峠で一休みしていると、頭上のナツグミが見事に咲いていました。 この時期に咲く木の花は種類が多く、うかうかしているうちに見逃してしまいそうですね。

  • ミツデカエデ

    4月18日、自然館正面入口から見えるミツデカエデ(植栽品)の雄株が見頃を迎えています。 カエデらしからぬ“三つ手”状の三出複葉が特徴ですが、すでに葉も芽吹き始めています。 ミツデカエデは、由木地区には点々と分布しているカエデ類です。長池公園内にもわずかに 自生しています。ただほとんどが幼木なので、花盛りの姿を見ることは滅多にありません。 自然館周囲では、移植栽培品のキケマンやハルザキヤマガラシの黄色い花が目立ちます。 黄色といえば、園内各所でキンランも開花中です。林床の一面に咲くさまは壮観ですね! 長池公園にも自生しているエビネの花。自然館周囲には様々な色のバリエーションが 揃って咲いています。どれも種としてはエビネに違いありませんが、アカエビネ(橙色)、 ヤブエビネ(緑色)と呼ばれることがあります。これらとは別に、関東には自生しない キエビネ、そして、エビネとキエビネの自然交配種であるタカネなども植えられています。 この日は午前中、市内の民有緑地で調査のお仕事でした。満開のサンショウにクサイチゴ、 イチリンソウやウバユリの群落もあってなかなか良い緑地でした。ちなみに3枚目の写真は ハリギリの山地性の品種(または変種)として知られるケハリギリの葉裏を撮ったものです。 葉裏や葉柄にびっしりと毛が生えていて、葉の切れ込みもハリギリより深いことが特徴。 丘陵地でも、山寄りの地域や緑の濃いところでは、しばしば出会うことがあります。 午後からは、別所小学校おおぞら学級の子どもたちと野鳥観察プログラムを実施しました。 今年度は毎月1回、野鳥をメインテーマにしつつ、身近な自然を幅広く味わっていきます。 これから1年間、おおぞら学級の皆さんと様々な体験ができることを楽しみにしています!

  • 長沼公園の動植物

    4月17日、観察会講師の仕事で長沼公園を散策しました。たくさんの出会いがありました。 高校時代から散々通ってきたフィールドなのですが、まだまだ新しい発見があります。 同時に、周囲の田んぼが耕作転換(畑地化)や宅地化によって軒並み失われてしまったり、 土砂崩れやナラ枯れの影響で園内の環境に大きな変化があったりと、同じ場所を見続けて きたからこそわかることも多いので、皆さんへのレクチャーにもつい熱が入ります。 この日、特に印象深かったのは、ニホンアナグマにばったり遭遇したことと、渡り途中の コマドリがよく囀っていたことですが、それらは残念ながら写真に撮れませんでした。 定番コースの霧降の道では、面白い形のオオバウマノスズクサが咲き始め、斜面に群生する ホタルカズラが見事でした。流れのそばでは、ネコノメソウの花も点々と咲いていました。 各所で見られるハンショウヅルはいずれも蕾でしたが、この姿こそが私の一押しです。 まるで色鉛筆で描いたリンゴのようで、緑から赤紫へのグラデーションが美しいのです。 身近な種類からマニアックなものまで、新緑の季節ならではの植物たちを堪能しました。 順に、ヤマミゾイチゴツナギ、クロヒメカンスゲ、カワラスゲ、タマノカンアオイ、 ミツバツチグリ、チゴユリ、セイタカシケシダ、コバノガマズミ、ミツバウツギ、 ヤマツツジ、コクサギ、ウワミズザクラ、ハナイカダ、サルトリイバラ、エンコウカエデ。 長沼公園は両生爬虫類が多いのも魅力です。この日はニホンアマガエル、アオダイショウ、 ヒガシニホントカゲなどに出会いました。カエルさん、素手で掴んでしまいごめんなさい。 皆さんに案内をしながらの観察なので、野鳥はじっくり探せませんでしたが、渡り途中の センダイムシクイがよく囀っていて、捕らえた昆虫を振り回すシーンも観察できました。 最近はどこでも見られる、留鳥のリュウキュウサンショウクイかと思って素通りしそうに なったのですが、渡りの季節ということもあり、念のために双眼鏡で確認してみると、 胸からお腹にかけて真っ白。渡りの途中に立ち寄っていく夏鳥のサンショウクイでした。 3枚目は冬鳥のツグミ。色合いがくっきりしてきて、シベリアへの旅立ちの日も近いかな? そして、なんといってもこの時期は昆虫ですね。一つ一つ紹介したいのをぐっと我慢して。 順に、アカボシゴマダラ(春型)、ヒメクロオトシブミ、イクビチョッキリの仲間の揺籃、 シバカワコガシラアブ、トビイロオオヒラタカメムシ、オオツマキヘリカメムシ、 イノコヅチカメノコハムシ、イチモンジカメノコハムシ、ヨツボシハムシ、ツチイナゴ、 ヒメオビオオキノコ、オナガグモです。中でも私のお気に入りはシバカワコガシラアブ。 小顔とおすもうさんのような体型がすっかり気に入ってしまいました。また会いたいな~! 最近では、生物多様性保全を目的とした大規模な環境整備や工事が各所で進められており、 それらの効果に注目しています。これからも長沼公園には足繁く通うことになるでしょう。

  • メリケントキンソウ

    4月16日、鑓水方面在住のスタッフが、夜の犬の散歩で「ミゾゴイが鳴いていた」、 「フクロウが止まっていた」など、いつも、それはそれは羨ましい話をしてくれます。 今は夜に出歩くことがほとんどない私も、夜な夜な出歩いていた学生時代は、ミゾゴイや フクロウ、それに大好きなアナグマをはじめとする野生動物とも顔を合わせていました。 この日の深夜、久しぶりに所用で車に乗り込むと、目の前をよたよたハクビシンが 歩いていきました。あんなに顔なじみだった野生動物も、今の私には新鮮に感じられます。 さて、この日は大塚東公園で枯れ枝の処理などを行いました。いつも、軽トラ一杯に積んだ 剪定枝を持ち込んでいる業者の敷地内、計量器の周りの砂利にこんな雑草が生えています。 数年前から見られるようになったもので、南米原産のメリケントキンソウという植物です。 キク科の一年草で、マメカミツレやカラクサナズナなどよく似た雑草がいくつかあります。 じつはこのメリケントキンソウ、web検索していただければわかるのですが、とんでもない 嫌われ者です。ちょっと可哀想なくらいに各地の行政が目を光らせて駆除を促しており、 目の敵にされています。それもそのはず、果実には鋭いトゲがあり、芝生に群生すると、 そのトゲが私たちの皮膚やお散歩の犬にプスッと刺さってしまい、かなり痛いのです。 気付かないくらい小さいだけに、知らぬ間に広がり、駆除も難しい厄介な存在といえます。 首都近郊でも、もはや手の施しようがないほど群生している場所が多くありますが、 由木周辺では、今のところ姿を確認しているのはこの一角だけなので、ご安心下さい。 ・・とはいえ、油断は禁物なので、仕事でこの計量器を通る時は、靴底で踏まないように 細心の注意を払っています。市内外の業者が頻繁に出入りする施設なので、この子たちも 誰かの靴やタイヤに刺さって、意図せずに運び込まれてきた種子の子孫かもしれませんね。 所変わって、こちらは長池前の陽だまりにて。ムラサキシジミが日向ぼっこしていました。 翅を閉じると周囲に同化してしまいますが、広げるとこの通り!表面の瑠璃色が輝きます。 周りにはムラサキサギゴケの群生も。紫ツートップに癒された、束の間のひとときでした。

  • 身近な鳥の暮らしの一コマ

    4月15日、事務所にいると中庭から“キャラララ”とシュレーゲルアオガエルの声が 聴こえてきます。気になって、声のする場所を見に行っても絶対に姿は見せてくれません。 それくらい隠れるのが上手なのに、休んでいる時は葉っぱの上に堂々と止まっていたり・・ 自然館周辺ではイロハモミジが花盛り。新緑と赤い花のコントラストがとても綺麗です! カエデの仲間は目立たないながらも素敵なデザインをした花が多いので、楽しみですね。 ところで先日、南大沢駅近くの商業ビル室内でこんな光景を目にしました。時間は夜です。 ライトの上にツバメが飛んできて止まりました。全く逃げないので、スマホでパシャリ。 ツバメは夏から秋にかけて、大集団で河川敷のヨシ原などにねぐらを形成することが 知られている、集団性の高い野鳥です。ではこの子はなぜ単独でこんなところに・・? その答えはすぐに推測できました。きっと、この子は近くの軒下で営巣しているペアの雄。 雌が抱卵などで就寝時も巣を離れられない時期、雄はそのそばで一人、夜を明かすのです。 いつも誰かと一緒に過ごしているツバメが、おそらく唯一、孤独に過ごす瞬間といっても 良いのではないでしょうか?子育てが始まると雄も忙しくなるので、こうしてボーッと していられるのも今のうちかもしれません。なんて、誰かと重ねているわけでは決して・・ もう一つ、身近な鳥の行動を紹介します。おなじみハシブトガラスが何かを咥えて 遊んでいました。咥えて持ち上げたり、下に置いたりを繰り返しています。骨盤ベルト? 巣材にはなりそうにない大きな平たいものです。私にはただ遊んでいるように見えました。 ちなみに、カラスは1.1kgの円蓋を嘴で持ち上げられる、という研究報告があります。 平たい形状であれば、結構重たい物でも持ち上げることができてしまうのだそうです。 カラスが力持ちであることよりも、そんな事実まで検証されていることに驚きですね!

  • キツネノヤリタケとキツネノワン

    4月14日、朝方にホトトギスの声を聴きました。異例の早さなので通過個体でしょうか? また、12日にキビタキ、13日にコシアカツバメと、次々に夏鳥が渡ってきています。 これから5月連休にかけて、今年も楽しく忙しい渡り鳥の通過シーズンが始まりました。 先日のパーキッズ活動で、ながいけの道沿いの桑の木の周囲にこんな不思議なキノコたちが 見つかりました。よく見るとキャンディ型と茶碗型の2種類が一緒に群生していました。 それぞれ、キツネノヤリタケとキツネノワンという種類です。草を掻き分けるとたくさん! 中には、蓄音機のような理科の実験器具のような、一回転ひねりのキツネノワンまで! とにかく、どちらの種類も1本1本が個性的な形をしているので、見ていて全く飽きません。 これらのキノコですが、実は桑の木の下に生えていたのには理由があります。それは掘って みると答えが隠されています。どれも菌核化した桑の実から生えているのです。どうやら、 桑の雌花に感染し、感染した実は熟すことなく白くなって落ちてしまう、それらの桑の実が 冬の間に菌核化、春に子実体(キノコ)が顔を出し、桑の開花に合わせて再び胞子を飛ばす、 このような生活史を持っているようです。つまり、桑が無いと生きていけないのですね。 これまでにも、当ブログではホソツクシタケやドングリキンカクキンなど、植物から生える キノコをいくつか紹介してきましたが、また一つ、新しい世界に出会えて感動です! おまけ。春のキノコの定番、アミガサタケもながいけの道の足もとに顔を出していました。

  • パーキッズ活動で花パトと外来種駆除

    4月13日、新年度初となるパークキッズレンジャーの定例活動を実施しました。 見頃の草花をチェックして廻りつつ、外来種アメリカスミレサイシンを抜き取りました。 居残りパーキッズと実施した午後の部も含めて、記録した植物などを一部ご紹介します。 体験ゾーンの奥では、あちこちでフデリンドウの花が見頃を迎えていました。秋の野に咲く リンドウをそのままミニチュアサイズにしたような可愛い姿です。南エントランスゾーンの 尾根幹線口からさくらトイレ付近にかけても群生していて、こちらも一見の価値アリです。 ながいけの道の右手、山側の林縁に点々と咲いていたアカネスミレです。花の色が濃くて 中心部(側弁基部)に毛があります。葉っぱは軟らかくてふわふわした毛が生えています。 ササ刈りや落ち葉かきなどによって、見通し良く手入れされた雑木林に生える種類です。 ながいけの道沿いには、濃い紫色の花を咲かせるスミレがもう1種、生育しています。 その正体こそがアメリカスミレサイシン(ヴィオラ・ソロリア“パピリオナケア”)です。 在来のスミレ類に紛れて見逃しそうですが、厚みと光沢のあるハート形の葉っぱを一度 覚えると、相当な数が生育していることに気付くでしょう。根はワサビのように肥大し、 引き抜くのも一苦労。毎年、数百~数千株を駆除していますが、なかなかしぶといです。 この日はパーキッズの力を借りて、ながいけの道と体験ゾーンを中心に駆除を行いました。 大人も子どももうまく見分けながら抜いてくれて、計669株を駆除することができました! その他の植物は写真のみですみません。順に、ミツバツチグリ、キジムシロ、ヒカゲスゲ、 ワダソウ、イチリンソウ、ツボスミレ、シロバナハンショウヅル、ニワトコ、ニガイチゴ。 植物目的とはいえ、そこはさすがパーキッズ、次から次へと様々な生き物を見つけ出して くれました。もはや私のほうが追い付かなくなり、写真に撮れたのはそのほんの一部です。 順に、ヒガシニホントカゲ、ニホンカナヘビ、カメノコテントウ、トゲヒゲトラカミキリ、 ナミアゲハ、カブトムシ(幼虫)。途中、「今日のテーマは昆虫調べだよね?」なんて声も。 最後はお待ちかね、パーキッズ活動のスナップです。(参加者から写真をお借りしました!) 春休みのお土産話に花が咲いたり、スズメノテッポウの笛で遊んだり、幸せな一日でした。

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