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街なかのスミレ観察

4月7日、先週4日の午後は松が谷方面の公園緑地を巡り、見頃の花などをご案内しました。

途中、遊歩道を外れて住宅街を抜けていくと、あちこちでスミレの仲間と出会いました。

アスファルトの隙間から顔を出したヒメスミレ、花の隣に小さな種子が並んでいました。

以前も紹介したことがあるとおり、スミレの仲間は、訪花昆虫の多い春先の開花時期が

過ぎると、閉鎖花という蕾のまま終わる花をいくつも付け、自家受粉してタネを結びます。

初夏以降は写真のような光景をよく見かけますが、春先にはあまり見る機会はありません。

もしかすると、開放花が昆虫の働きによって運良く受粉し、結実した姿かもしれませんね。

3つに裂開した果実の上に整然と並んだ種子。これらは乾燥すると両側の果皮が内側に

閉じて、押し出されるように弾き飛ばされます。枝豆を食べる時に、サヤを押してプチっと

やる、あの要領です。※同じ原理を使い、私はよく指でドングリ飛ばしも楽しんでいます。

弾き飛ばされた種子はそれなりに遠くへ運ばれますが、そのあと今度はアリに見つかって

巣に持ち帰られるため、さらに広い範囲へと分布を広げていくことになります。

アリによる運搬や不要になった種子の搬出など、今度じっくり観察してみたいものです。

ヒメスミレよりも大きくて全体に毛が目立つノジスミレも、路傍や芝生で目に付きました。

いかにも雑草的な風情が私好みの種類ですが、ほかの凛としたスミレ類のほうが人気・・

でもこのノジスミレには、とっておきの観察ポイントがあります。それは花の香りです。

もし嗅いだことがなければ、ぜひ花に顔を近付けて心地好い香りを楽しんでみて下さいね!

最後に紹介するスミレはあまり聞き慣れないかもしれません。ニショクアツバスミレです。

この名前は園芸上の流通名であり、スミレの海岸型変種であるアツバスミレの中から選抜

されたものと言われています。それらが庭先などから逃げ出して、野生化しています。

光沢のある分厚い葉っぱと、ツートンカラーでおちょぼ口のような形をした花が特徴です。

これを、野生種のアリアケスミレと誤認しているケースがとても多いのでご注意下さい。

こちらがアリアケスミレ。確かに、アリアケスミレもニショクアツバスミレと同じような

身近な環境にありますが、花や葉っぱの様子、生え方などを観察すれば一目瞭然ですね!

街なかで見かけるスミレの中には、ニショクアツバスミレのように園芸品種が逸出して

広がっているものも少なくありません。コスミレ系の“コスミレサクラ”、ヒメスミレ系の

“たづ姫”、アメリカスミレサイシン、コモロスミレ(八重咲きのスミレ)などがあります。

困ったことに、野草図鑑に載っていないものがほとんどなので、調べるのも一苦労です笑。

さて、最後に昨日のクイズの答えはこちら。正解はスズメたちが砂浴びを行った痕跡です!

簡単でしたかね?笑。※これらの写真は、ずいぶん前にTDLの待ち時間に撮ったものです。

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