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バアソブの赤ちゃんとクチナシグサ

4月10日、マスターズプログラムの活動として、堀之内東山はぐくみの森緑地内にある

希少種バアソブ自生地の保全作業を行いました。前回訪れた際は、クヌギの大木が

バタンと群落の上に倒れており、愕然としました。今回は、予めそれらを解体しておいて

もらったので、丸太や枝を運び出し、侵入したマダケの除伐なども行うことができました。

このちんまり可愛らしい芽生え、じつはバアソブの赤ちゃんなのです。ふわふわの毛に

覆われて、落ち葉の間からたくさん顔を出していました。思わず撫でたくなりませんか?

少人数ながらも手際よく作業を進めていき、見違えるほどすっきり綺麗になりました。

作業中は、ワニグチソウの蕾や、あたたかさに誘われて出てきたニホンカナヘビも観察!

バアソブ群落の周辺には他の林床植物も数多く芽生えてきており、とても賑やかでした。

何の植物なのか大きく育った姿を想像して推理しながらの観察は、俄然、盛り上がります!

中にはスミレ類のように、すでに花を終えて葉をより大きく広げているものもあります。

順に、ツルニンジン、ツリガネニンジン、ヤマハッカ、カノツメソウ、ヤブニンジン、

コボタンヅル、アカショウマ、ナワシロイチゴ、ミツバツチグリ、シラヤマギク、

ノアザミ、ナガバノスミレサイシン、ツボスミレ、タチツボスミレ、アオイスミレ、

オカトラノオ、アカネ、スイバ、ヤマホトトギス、コバギボウシ、キツネノカミソリです。

合っているかどうか、その答えは夏までお楽しみ。全然外していたらごめんなさい!

作業を終えた一行は、堀之内沖ノ谷戸公園へ足を伸ばしました。目的は、保護柵を設置して

保全に取り組んできたクチナシグサの開花状況を確認することです。再発見された当初より

個体数は減っているものの、ポツポツと咲き始めていました。保護柵を設置したことで、

芝刈機による壊滅的なダメージは予防できましたが、そのぶん、周囲の草は容赦なく伸びて

くるので、特に夏場は何度か手作業での選択的除草を行わなければ生育を維持できません。

引き続き、ボランティアの皆さんの力をお借りして手を入れていきたいと考えています。

このように、あるエリアを囲ってまるっと保全する手法では、同じような環境に生育する

ほかの里山植物も守ることができます。ここではジュウニヒトエも生き生きしていました!

そしてそのジュウニヒトエには、春の妖精、ビロードツリアブが何匹も訪花していました。

近くに咲いていたタンポポの頭花には、春を代表する甲虫、モモブトカミキリモドキの姿。

“モモブト”の名前どおり、後ろ脚の付け根がもりっと太くなっているのが特徴です。

保全作業と観察を終えると、お昼をまわっていました。時間が経つのはあっという間です。

自らの手で地域の自然を守る楽しさ。皆さんと分かち合うのはじつに幸せなひとときです。

おまけ。自然館巣箱のヤマガラです。抱卵8日目。この日も頑張って温めていましたよ!

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