雪消しの雨とクロジ
- ひとまちみどり由木 指定管理者
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2月11日、朝から冷たい雨が降りました。残っていた積雪を解かす雨は“雪消しの雨”や“雪解雨”と呼ばれます。
長池公園を散策する人も祝日にしてはかなり少なく、多くの小鳥たちが園路のあちこちに降りて採食していました。
ここ最近、いつもクロジが滞在している笹藪を通りがかると、2羽の雄がすぐそばに現れました。笹藪にはまだだいぶ
雪が残っており、採食のために雪の少ない場所まで出てきたのかもしれません。じっくりと全身を観察できる機会は
そう多くないので、驚かさないように注意しながら様子を見守りました。警戒心の強い印象を持っていたのですが、
実際には手の届きそうな距離までどんどん近付いてきて、最短焦点距離よりも手前の位置でうろうろし始めました。
少し後ろに下がり、せっかくなので肉眼でもしっかりとその愛らしい姿を目に焼き付けました。2個体とも、褐色の
羽毛が各所に見られることから1年目か2年目の冬羽と思われます。クロジの雄は、成長とともにだんだん全身が黒く
変化していき、3年目あるいは4年目にようやく成熟羽、つまり完全に黒くなります。他の多くの小鳥は、2年目には
成熟して大人の羽位になるので珍しいパターンです。ルリビタキの記事で紹介した「遅延羽衣成熟」と同じですね。
観察していて面白かったのは、歩きながら落ちた木の実を探す際に、時々フリーズして辺りを見渡すのですが、その
瞬間はなぜか木の実を咥えて口を開けた状態のことがほとんどなのです。こちらも動きが止まった時にシャッターを
切るので、ポカンと口を開いた表情ばかりが収められていて、ちょっと笑ってしまいました。飲み込んで落ち着いて
から周囲を見渡せば良いのに・・と思うのですが、2羽とも同じ行動をとっていたから特徴的な習性の一つなのかも?
若い雄どうしでよほど気が合うのか、互いに地鳴きでコミュニケーションをとりながら接近して行動していました。
地鳴きは、“ティッ”と聴こえる小さいながらもよく通る声です。アオジの“チッ”と比べて軽やかで金属的です。
アオジよりも間を空けずに繰り返して鳴くことがあるのも特徴でしょう。聴き慣れてしまえば、音質が全く違うので
迷うことはありませんが、むしろシジュウカラの囁きなどと混同してしまうことがあり、少しだけ注意が必要です。
余談ですが、繁殖地ではクロジとノジコの地鳴きがよく似ていて私も飯綱高原で両者を聴き違えたことがあります。
話を戻しましょう。長池公園でのクロジの越冬例は多くありません。毎年、10~11月と4~5月の渡りの季節には
クロジの小集団が必ず通過していきますが、厳冬期には他の場所へ移動してしまうことがほとんどなのです。越冬
場所は由木地区内では複数の箇所で確認しています。いずれも下草の茂った針葉樹主体の樹林地で、近くに水源地が
ある谷戸の奥です。いわゆる“シダ谷”と呼ばれるような、薄暗くて込み入った環境がクロジの好みなのでしょう。
長池公園にそのような環境がないわけでは無いのですが、より住みやすい環境へ移動するほうが暮らしやすいという
ことなのかもしれません。2021年の4月26日と27日には、長池公園に数えきれないほどのクロジが飛来したことが
あり、今でもよく覚えています。すでに新緑の時期でアオジなど他の渡り鳥は渡去したあとだったのですが、数十羽
単位のクロジの群れが園内の至るところに潜んでいて、小鳥という小鳥がみんなクロジという贅沢な極大日でした。
好きな鳥のことなので、だらだらと書いてしまいました。クロジと遭遇する前に出会った君たち(アオジ・シメ)も、
とても魅力的ですよ!クロジもアオジもシメも、みんな嘴が土で汚れていて、地上採食の苦労が伝わってきますね。
おまけ。パーキッズのKさん一家より、素敵な雪だるまの写真が届きました。植物を使った装飾がなんとも素敵です!

































