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珍しい雑草三題

10月17日、大塚方面のふきつけ公園と竜ヶ峰公園で、草刈りを実施しました。竜ヶ峰公園の

入口付近の路傍で8月に見つけたある雑草が気になっていたので、もう一度見てきました。

その雑草がこちら。アオイ科の外来種、中央アメリカ原産のホソバキンゴジカ(推定)です。

市内で確認している近縁のキンゴジカやアメリカキンゴジカよりも、葉が明らかに細長く、

全体の質感や出で立ちもなんとなく違っています。発見時はもっと小さくて葉も数枚しか

付けておらず、おまけに未開花だったので、そもそもキンゴジカの仲間で合っているのか

確かめるためにも、やはり花を見ておきたかったのです。草刈り作業の撤収を始めた午前

11時半頃、それまでしぼんでいた花がじわじわと開き始め、15分ほどの間に花開きました。

なぜかはわかりませんが、この仲間は開花時間が非常に短く、日中の限られたタイミングに

しか花を咲かせている姿を見せてくれません。現場を引き上げなければならなかったので、

最後までは見届けられませんでしたが、しっかりキンゴジカ属特有の花を確認できました!

見つける→調べる→観察する→調べる・・雑草マニアの日常はこんなことの繰り返しです。

しかも、このように国内記録の少ない植物は一般的な図鑑には載っていないことにくわえ、

web上のデータでは誤同定もかなり多く、有益な情報を得るためにとても苦労しています。

ところで先日15日の講座の帰り道のこと。解散予定時間が迫っていたため、行きとは異なる

最短のルートで武蔵五日市駅へ向かって歩くことに決めたのですが、そういう時に限って、

やはり出会ってしまうものです。車の行き交う秋川街道沿いの林縁で、オオツルイタドリの

群落を発見しました。出会う機会の少ないタデ科のつる性植物です。帰化植物の図鑑には

必ず掲載されており、環境省の外来種リストにも掲載されていることから、私は疑いなく

外来植物だと思っていたのですが、日本古来の植物である可能性も指摘されているようで、

神奈川県、富山県、愛知県ではなんとレッドリストに名を連ねています。かたや北海道では

「分布や生育状況から考えて在来種の可能性も考えられる。」との注釈入りでブルーリスト

(外来種データベース)に記載されており、自治体によって扱いは二極化しているようです。

それはともかく、真っ赤に色付いた果実がじつに見事で、解散時間を忘れるところでした。

もう一つ、最近見つけた珍しい外来雑草です。熱帯地域原産のショウジョウソウモドキ。

じつは昨年11月に昭島市の国道沿いで確認しており、記事にしています。信号待ちでも雑草

それが今年は八王子市内のバイパス沿いにも出現し、中央分離帯や路側帯にずらりと群生

しているのに車窓越しに気が付いたのでした。同じような環境に生えるミチバタナデシコや

アレチニシキソウがそうであったように、今後どんどん分布を広げていきそうな予感です。

・・ということで、今日はマニアック雑草3本立てでした。お付き合い下さり感謝します!

おまけ。この日、長池前にはキビタキの群れとマヒワが来ていたそうです。公園スタッフの

Kさんと自然館スタッフのMさんが撮影した写真をお借りして掲載します。葛飾区の公園では

ハンノキにマヒワの群れが来て話題を呼んでいるそうです。長池公園ではほぼ毎年のように

マヒワが観察されていますが、この時期に見られるのは珍しいですね。当たり年かも・・?

 
 
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