手乗りシジミ
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- Dec 28, 2025
- 3 min read
12月24日、朝から雨模様でしたが、午前中は傘を差して、東京都立大学プレミアムカレッジのフィールドワークで
長池公園をご案内しました。足もとが悪く歩くのも大変なほどでしたが、とても意欲的な皆さんに助けられました。
午後からは四半期に一度の監査がありました。忙しくて写真を撮っていなかったので、先週の話題をご紹介します。
19日の午後、縁あって、八王子市越野にある帝京大学中学校・高等学校の敷地内に残る雑木林の調査を行いました。
1995年に開学した中高一貫校ですが、これまで30年以上、敷地内の自然について本格的な調査は行われておらず、
最近ではナラ枯れによる危険性などもあり、学内外で活用されることはほとんどなくなっているそうです。折しも、
建設前に実施された自然環境調査(アセス)の資料を最近入手できたため、当時と今との環境の変化や動植物の所在に
注目しつつ、まずは現状を把握するための予備調査として、教員と有志学生の協力のもと、敷地内を散策しました。
雑木林は確かに樹木の高木化やナラ枯れの被害、竹林の拡大などが目立ちましたが、業者によって間伐や下草刈りが
続けられており、開学当初に近い植生が維持されていました。足もとに落ちた小枝に冬越し体勢のウラギンシジミを
発見。指を前に差し出すと掴まり直して手乗りになってくれました。私から学生、学生から教員へと、指先を伝って
いくと、やがて活力を取り戻してきて翅を広げました。翅の表側がオレンジ色になっているのでこの子は雄ですね!
ウラギンシジミ以外にも、冬越しする生きものたちがたくさん見つかりました。一見、何もいないように見える林の
中にも宝物が隠れています。ミヤマカメムシの一種(※平地性の未記載種)、ゴマダラチョウ、トゲヤドリカニムシ、
ハラビロカマキリ(卵鞘)です。ヤマトタマムシは冬を越せないので、残っていたのはバラバラになった亡骸でした。
谷底部ではニホンノウサギの新しい糞や食痕が複数見つかりました。計画当初の調査では記録されていないことから
比較的最近になって生息するようになった可能性があります。周囲の開発が進んだことや、敷地の環境条件に変化が
生じて、隠れ家となる灌木林や藪、四季を通じて豊かな植物資源が入手できる下草環境等が整ったことなどの要因が
考えられるでしょう。野生動物の巣穴や希少なトラツグミの羽毛も確認でき、生物多様性の豊かさに驚かされます。
植物はオフシーズンでしたが、確認できた種類のうち、公開して差し障りの無いものをいくつか写真で紹介します。
順に、オケラ、キンラン、センニンソウ、トキリマメ、キリ、カラスザンショウ、イロハモミジ、ナワシロイチゴ、
セントウソウ、トウゴクシダ、ノダケ、マメヅタです。雑木林のポテンシャルの高さを裏付ける植物が多いですね。
鳥瞰的に据えてみると、西側の越野日枝神社や玉泉寺境内に連なる緑地帯とは一体でみどりの島を形成しています。
多くの生物がこの広大なみどりの島を生活の場として利用し、同時に、植物も生育範囲を変化させているはずです。
小一時間の調査でも価値ある発見がありました。継続的な調査や教育への活用を模索していけたらと考えています。



























































