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処暑の草花

  • 2 days ago
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8月23日、暦の上では夏の暑さが和らぐ「処暑」を迎えます。自然館中庭で開花中の植物をいくつかご紹介します。

言われなければ気付かないほど小さい花をリング状に咲かせているのは、ヒメシロネです。ハッカやメハジキなども

同じようにリング状に花を付けますが、シロネの仲間の花は白っぽいものが多く、花はより小さくてシンプルな姿。

ヒメシロネは葉がもっとも細長くて基部側がほとんどすぼまらないこと、萼片がトゲトゲになることが特徴です。

長池公園に自生するシロネの仲間はコシロネという種類で、築池の水際などに群生しています。その他のシロネ類は

園内には生育せず、ヒメシロネも他所からの移植栽培品です。ざっくり分けると、シロネは平地の湿地、コシロネは

平地から丘陵地の湿地、ヒメシロネは山寄りの丘陵地から低山の湿地、エゾシロネは山地の湿地に分布しています。

多摩丘陵にも、かつてはコシロネだけでなくヒメシロネが広く分布していたようなのですが、土地開発や耕作放棄に

よって、生育に適した富栄養な水湿地や谷戸田が次々に失われていき、今ではほとんどの生育地で姿を消しました。

過去に記録のある堀之内寺沢里山公園や小山内裏公園でも、現存確認されているのはコシロネのみとなっています。

湿地の攪乱などにより、再び発生する可能性は十分にあると思いますので、今後も気にかけていきたいと思います。

長池公園のシンボルともいえるサワギキョウも、処暑の頃に開花ピークを迎えます。ハンノキ林の自生個体群に由来

する長池産のサワギキョウを、自然館中庭や体験ゾーンなど各所に移植しているので、この機会にぜひご覧下さい。

その他、見頃の花でしりとりができました。ノアズキ、キセワタ、タヌキマメ・・いずれも域外保全対象植物として

保護栽培中のもの。ノアズキ以外の2種類は、開発前の南多摩エリアにも点々と生育していた記録のある希少種です。

自然館中庭テラスは、現在では見ることの難しくなった多摩丘陵ゆかりの植物が観察できる見本園でもあるのです。

処暑の次は白露。いよいよ本格的に秋が始まります。いつの間にか夜のセミ時雨も鳴く虫の合唱に変わりましたね。


 
 
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