ハナタデとイヌタデ
10月21日、秋の道ばたでおなじみの野花の一つに、タデの仲間があります。中でもほとんど場所を選ばずどこでも
姿を見せてくれるのがハナタデとイヌタデです。両者は背丈が低い、花序が垂れない、托葉鞘の縁に長毛が生える、
などの点が共通しており、パッと見の雰囲気こそ似ていますが、見慣れてしまえば見分けるのは難しくありません。
湿地にハナタデとイヌタデが隣り合って咲いていたので、一目で違いがわかるようなアングルで撮影してみました。
並べてみると、間違い探しの要領で識別点を確認することができます。まず注目したいのは花の色。ハナタデの花は
白に近い淡紅色なのに対して、イヌタデの花ははっきりとしたピンク色です。次に花の付き方ですが、典型的なもの
ではハナタデはやや疎らに花を付け、小花柄と呼ばれる部分も明瞭なので、茎に対する花序の比率が長くなります。
一方のイヌタデでは、花がごしょごしょっと密に集まっている感じに見えます。これらの特徴だけでも、たいていの
場合は見分けられるのですが、タデの仲間の花は環境によってガラリと姿を変えることがあるので要注意なのです。
実際に「これはどっち?」と悩んでしまうような子に出会うことも少なくありません。“イヌハナタデ”と呼ばれる
一世代雑種も知られているため、判断に迷うような子は無理に種を特定しないのが無難ではありますが、そんな時は
視点を変え、葉を見てみることをおすすめします。ハナタデの葉は丸みがあって先が急に細くすぼまって伸びます。
イヌタデの葉はヤナギの葉のようなやや細長い形をしており、輪郭は先端に向かってなだらかに狭まっていきます。
写真からもわかるとおり、花とリンクするように葉の色もイヌタデのほうがより濃く見えることも特徴でしょうか。
身近な雑草ほど、じつはちゃんと観察できていないもの。典型を知ることが植物観察ステップアップの第一歩です。
さて、この日は講師の仕事で八王子滝山里山保全地域と周辺の農地を散策しました。イオン八王子滝山の近くです。
谷戸田では稲刈りが始まり、足もとには栗やどんぐりがたくさん。秋晴れの里山散策はとても心地好い気分でした。
出会った動植物の一部です。ヤチスズ、ミゾソバ、タチツボスミレ(※返り咲き)、ジョロウグモとキボシカミキリ、
ミズ、シロホシテントウの一種(推定フクダシロホシテントウ)、ホウネンタワラチビアメバチ(繭)、サヤヌカグサ、
カントウヨメナ、ウスバヤブマメ、カエンタケ、アライグマ(爪痕)、アゼトウガラシ。田んぼの中に水田雑草が色々
出てきていたので近付こうとしたところ、うっかり電気柵に触れてしまいました。“バチンッ”となって、通電して
いたことに気が付きました。静電気よりも強い衝撃でしたが、一瞬イテッとなった程度で済みました。この辺りでは
イノシシをはじめ獣害が深刻なので、各地に電気柵が張られています。皆さんもくれぐれもお気を付け下さいませ。
おまけ。八王子駅北口のバス停を下りてすぐの雑踏の中で、予想外の拾いモノ。渡りの季節は気が抜けませんね~!



