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トゲナナフシとココアパウダー

8月31日、先日のイベントが嘘のように、長池公園の芝生広場には穏やかさが戻りました。

明日から9月ですが、相変わらず猛暑が続き“冷夏”という言葉が懐かしくさえあります。

先日、公園スタッフのFさんが珍しい昆虫を見つけてきてくれました。トゲナナフシです。

アオキの茂みや地上付近にいることが多いとのこと。長池公園にもいるはずだと信じて

気にしていたところ、運良く見つけられたそうです。その推察力と執念には恐れ入ります。

トゲナナフシはその名のとおり、トゲトゲの姿が特徴でほかのナナフシ類と見間違うことは

ありませんが、千葉県南部を北限として、主に西日本を中心に分布する南方系の種類です。

この発見により、長池公園で確認されたナナフシ類は、ナナフシモドキ、エダナナフシ、

トゲナナフシ、ニホントビナナフシ、ヤスマツトビナナフシ、タイワントビナナフシの

全6種類となりました。山地性のシラキトビナナフシを除き、本州の平地から丘陵地に分布

するナナフシ類は全て生息していることになりますから、改めてその豊かさには驚きます。

ところで、自然館から築池堤防方面へと下る階段の途中に、こんな切り株があるのをご存じ

でしょうか?切り株の表面とその周囲の草木が赤茶色に染まっているのです。スプレーでも

噴射したかのような広がり方で、直接触ると指にココアパウダーそっくりの粉が付きます。

いったいこれは何だろう?・・その答えはすぐにわかりました。切り株の裏側に、大きな

キノコが生えていたのです。種類はコフキサルノコシカケ。ココアパウダーの正体はなんと

このキノコの傘の表面から飛散した胞子の粉というわけ。“粉吹”とは言い得て妙ですね!

通りすがりに感じた違和感から、面白い観察ができました。皆さんもぜひ見てみて下さい。

おまけ。お知らせが遅くなりましたが、5月号よりコラムを担当している八王子法人会の

情報誌「きずな」の8月号(PDF)がweb公開されています。ホンドギツネ、ヒメハルゼミ、

ハクセキレイに続き、今回はマユタテアカネを取り上げてみました。どうぞご笑覧下さい。https://www.hojinkai.or.jp/ctype01/%e4%bc%9a%e5%a0%b1%e3%83%bb%e3%81%8d%e3%81%9a%e3%81%aano-537

 
 
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