タチタネツケバナの花園
- 2 hours ago
- 3 min read
4月8日、先日の出来事ですが、近隣在住の方から「せせらぎ緑道付近のある場所で1ヶ月ほど異臭がする場所がある
ので、その原因を知りたい」との問い合わせがありました。なんとなく心当たりがあったので、さっそく現地を確認
しに行くと、やはり植物の匂いでした。遊歩道の水路側に腰高ほどのヒサカキが列植されており、雄花がびっしりと
咲いています。もう花は終わりかけでしたが、これこそが、ガスのようなおしっこのような“異臭”の正体だったのです。匂いの種類、範囲、期間、天気によって強さが変わることなど、全ての要素が当てはまり、すっきりしたのは
いうまでもありません。この匂いをガス漏れと勘違いした通報があったというエピソードも聞いたことがあります。
話は変わりますが、ある希少種の発芽状況を確認するために鑓水方面に立ち寄った際、通りがかったバイパス側道で
真っ白なお花畑を見つけました。いったい何の花だろうかと近付いてみると、アブラナ科のタチタネツケバナという
植物でした。タネツケバナとジャニンジンの中間的な性質を持ち、東京都では準絶滅危惧種に指定されている希少な
種類です。以前、近隣の子之神谷戸で見たことはありましたが、ここまで見事な群落は初めてでとても驚きました。
タネツケバナの仲間はどれもよく似ています。ミチタネツケバナやニワサキタネツケバナ(仮)といった外来の種類を
身近な環境でよく見かける一方、自然度の高い水辺では在来種のタネツケバナやオオバタネツケバナを目にします。
タチタネツケバナはやや山寄りの原野や崩壊地など、より乾燥した環境に生育しています。上述のタネツケバナ類に
見慣れていれば本種は一目瞭然なのですが、いくつか決め手となる識別ポイントがあるので、まとめてみましょう。
★タチタネツケバナ(在来種)
・丘陵から低山地の乾燥した環境で見られる。
・開花時に根生葉(株の根元にべたっと横に広がる葉っぱ)が残っている
・花はやや大きい
・棒状の果実は鋭角に伸びて上に向かって伸びる(角度はミチタネツケバナとタネツケバナの中間程度)
・雄しべは6本
・茎や葉には毛が多く、特に茎下部の毛はビロード状で目立つ
・茎下部は紫褐色味を帯びることが多い
・茎に付く葉の小葉(1枚の葉の小片)は細く、線形のものや2~3つに裂けるものまで変化がある
・根生葉の小葉(1枚の葉の小片)は2~3つに裂け、それぞれに明確な柄がある
以上は、一般的に記されている形態的な違いに、今回の観察によって確認できた特徴をくわえて整理したものです。
基本となるタネツケバナとミチタネツケバナのポイントについては、以前の記事をご参照下さい。雑草の見分け方①
ちょうどこの日、巡回清掃中に九兵衛坂公園の林縁でタネツケバナを撮ったので、比較のために写真を並べました。
1~3枚目はタネツケバナで、4~6枚目はタチタネツケバナです。果実の角度や、茎の毛の量などにご注目下さい。
タチタネツケバナというディープな植物観察に熱中していると、近くの陽だまりに様々なチョウたちが吸水のために
集まってきました。今季、2度目の出会いとなるトラフシジミ(春型)をはじめ、ルリシジミやミヤマセセリがヒラリ。
春の草花やチョウに囲まれながら、鑓水地区の自然のポテンシャルの高さを改めて実感しつつ、癒されたのでした。



















































