3月10日、今日は今季最高気温を更新したそうで、とても暖かい一日でした。
足元の雑草は、すでに花盛りとなっているものも少なくありません。
眺めているだけでも十分に癒されますが、見分けられるようになると、
雑草と顔見知りの友達になれたような気がして、散歩が何倍も楽しくなります。
パッと見はそっくりさんでも、違いがわかると別人にしか見えなくなる、
そんな感覚を味わうのにもってこいの2種をご紹介します。
左はタネツケバナ、右はミチタネツケバナというアブラナ科の雑草です。
アブラナ科は菜の花や大根の花を想像していただければわかるように、
4枚の花びらを持つのが特徴です。それは小さな雑草であっても同じで、
例えば、畑にたくさん生えているナズナ(ペンペングサ)も4枚です。
「小さな白い花」から「小さな白い花びら4枚の花」に進むことができたら、
“アブラナ科の何か”というところまで一気に絞られるわけです。
次に注目したいのは果実の形。アブラナ科の雑草は、花と果実が同時に見られる
種類が多いので、実ができるまで辛抱する必要はありません。お得でしょう?
写真の2種は、果実がナズナのような扁平な形ではなく、棒状なのがわかります。
もうここまでくれば、「小さな白い花びら4枚の花と棒状の果実」となり、
タネツケバナの仲間で決まりです。いきなり細かいところを見ようとしなくても、
何の仲間なのか、というところまではたったの3ステップで辿り着きました。
では、この2種はどこがどう違うのか、という本題に入りますが、ここで重要なのは
あれもこれも覚えようとしないことです。私のオリジナル判別ポイントを1つ紹介します。
まずはそのポイントだけを見比べてみて下さい。
花を頭、茎を胴体、果実を腕にそれぞれ見立ててみると、棒人間に見えませんか?
棒人間が「ガッツポーズ」をしていたらタネツケバナです。
棒人間が「バンザイ」をしていたらミチタネツケバナです。
・・いかがでしょうか?おそらくほとんどの場合、この判別方法で見分けられるはずです。
その他の識別点も下記にまとめておきますので、判別に自信の無い時や、
果実(腕)が微妙な角度の時に、一つ一つじっくり確認してみることをおすすめします。
★タネツケバナ(在来種)
・湿っぽいところに生えることが多い。
・開花時に根生葉(株の根元にべたっと横に広がる葉っぱ)が無くなる
・花は大きい
・雄しべは5~6本
・茎は細毛があってざらつく
・小葉(1枚の葉の小片)は細長い
★ミチタネツケバナ(ヨーロッパ原産)
・乾燥したところにも多く、あらゆる環境で見られる。
・開花時に根生葉(株の根元にべたっと横に広がる葉っぱ)が残っている
・花は小さい
・雄しべは4~5本
・茎は毛が無く滑らか
・小葉(1枚の葉の小片)は丸っこい
長池公園自然館周辺では、タネツケバナとミチタネツケバナが、今ちょうど見頃です。
皆さんの周りにあるタネツケバナ類はどちらでしたか?