カヤコオロギと草原の草花
9月8日、先日、保全地域を廻った際に、八王子の中心市街地から約2km圏内のある場所で、カヤコオロギの生息地を
見つけました。これまでブログで取り上げてきたカヤコオロギは、多摩ニュータウンエリアの生息地で観察したもの
ですので、市内の別のエリアで新たに発見したことになります。今年もカヤコオロギ / カヤコオロギとテングスケバ
近所の生息地ではなぜか今まで雌しか観察できていなかったのですが、この場所では雌雄合わせて20個体ほど確認。
やっと雄の姿をじっくり観察することができました。写真上段3枚が雄、下段2枚が雌で、6枚目は独特な食痕です。
今回の発見も、この特徴的な食痕が良い手がかりになりました。やはり、雑木林に隣接する丈の低い草むらが好みの
ようで、フシゲチガヤ、トダシバ、ススキなどが混生する環境でした。よくいわれているのが、本種は自然度の高い
草原に生息する、というもの。自然度の高い草原とは何なのか、植生に注目してみるとイメージしやすくなります。
これらはカヤコオロギを見つけた草原とその周辺に生育していた草花です。順に、ツリガネニンジン、ワレモコウ、
メガルカヤ、コバノカモメヅル、ヒメキンミズヒキ、ナンバンギセル、コオニユリ、シラヤマギク、クチナシグサ、
シュロソウ、カノツメソウです。毎年の刈り取りによって維持されてきた、いわゆる茅場に見られる里山植物中心の
構成です。くわえてこうした環境にまず先に入り込みやすいオオブタクサなどの外来植物の防除が進められており、
かつ、適切なタイミングで選択的な草刈りが行われることで、在来の草原性植物の多様性が維持されているのです。
植物多様性に富んだ草原こそが自然度の高い草原にほかなりません。残念ながらこうした環境は減少する一方です。
カヤコオロギ以外に目に付いた昆虫です。草原の指標種であるミヤマアカネやヒメエグリバのほか、外来種も多く、
話題のムシャクロツバメシジミがここでも確認されました。昆虫の種の多様性は、植生の豊かさと比例しています。
八王子市内だけでなく、全国的にも“自然度の高い草原”の重要性はこれからいっそう高まっていくことでしょう。
生息する動植物のラインナップを見極め、評価指標とすることで、より具体的なビジョンが見えてくると思います。



