オジロサナエ
- ひとまちみどり由木 指定管理者
- 2 日前
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5月27日、午後から巡回清掃で堀之内方面の公園緑地を廻ってきました。堀之内番場公園に
近接する大栗川の護岸は、数年がかりで親水化の工事が行われ、ヨシ原を主体とする湿性の
草地が広がっています。以前よりも、生きものにとっては住みやすい環境が整ったようで、
クイナやカワセミが度々観察されたほか、トンボなど水辺の昆虫も複数確認されています。
公園側の堤防草地を歩いていると、目の前からヒラヒラと飛んでいくトンボがいました。
一見してサナエトンボの仲間だとわかったのですが、やけに小さいのが気になりました。
このサイズ、長池公園であればコサナエで決まりなのですが、コサナエは大栗川ではまだ
見たことがなく、さらに胸にY字の模様が入っていることに気が付いて写真を撮りました。
調べてみると、由木地域では珍しいオジロサナエの雌と判明しました。本種は河川上流域に生息しているとすっかり思い込んでいたので、こんな場所でまさか出会えるとは意外です。
“思い込んでいた”というのも、実際は月齢によって生活場所を変える種類だったのです。
上流域で孵化した幼虫(ヤゴ)は河川の流れに乗って流下し、中流域で羽化するといいます。
羽化後の成虫は成熟しながら川を遡り、上流域へ戻ってから産卵を行うというわけです。
ヤゴが流れに乗って長距離を移動するなんて、面白いですね。写真の雌は羽化したての
未成熟個体だったので、上流への旅立ち前にこの場所を利用していたのでしょう。納得!
ゴミ拾い中に思いがけず、初めて見るトンボに出会えるなんて本当にラッキーでした。
おまけその1。この日の午前中に調査していた民有緑地で見かけたマンネンタケです。
おまけその2。自然館周辺の樹名板のリニューアルが進んでいます。樹名板の裏側では
昆虫やニホンヤモリが一休みしていることがあります。そこで、この度のNEW樹名板は
裏側に、なんと初期状態から生きものが隠れるためのシェルターが掘られています!
「生きもの樹名板」の最初の入居者はいったいどちらさまでしょう?楽しみですね。