top of page

エゴツルクビオトシブミの冬越し

12月6日、八王子市主催の緑地保全人材養成講座「里山レンジャーズ」の今年度最終回が、

市内の民有緑地で行われました。全6回の講座の最後は、冬の里山仕事として落ち葉かきや

下草刈りを行ったほか、樹名板の製作と設置、今後の活動計画の話し合いも実施しました。

作業前の現地確認では、スギの樹皮裏で冬越しする生きものを調べてみることにしました。

以前も同じスギの木で、トゲヤドリカニムシをはじめ多くの生きものが見つかっています。

今回、もっとも驚いたのはこちらの甲虫です。こんな時期にこんなところで見ることになる

とは思ってもみませんでしたが、エゴツルクビオトシブミのメスが隙間に潜んでいました。

エゴツルクビオトシブミは、毎年必ず見かける顔なじみの甲虫ですが、姿を見かける季節は

初夏の一時期で、エゴノキの葉を巻いているシーンや葉上に止まっていることがほとんど。

それ以外の季節はどこに消えてしまうのか、見かけることはほぼありません。あとで子ども

向けの昆虫図鑑を開いてみたら、たった一行の短い解説の中に、「成虫で越冬する」という

重要なことがさらりと書かれており、その事実は知らなかったので二度びっくりしました。

定番のカメムシの仲間も次々に発見。写真のクサギカメムシ、エサキモンキツノカメムシ、

アオモンツノカメムシ以外に、オオトビサシガメやヒラタカメムシの一種も見られました。

特に、背中にハートを背負ったエサキモンキツノカメムシは何匹も集まっていて、見つかる

たびに「おおっ!」と思わず声を上げてしまいました。口裏を合わせたように大集結です!

一方、ケヤキの樹皮下ではメダカチビカワゴミムシ、ムツボシテントウ、キハダカニグモが

見つかりました。メダカチビカワゴミムシはつい先日初めて見たばかりだったので、すぐに

わかりました。また、エノキの根元では落ち葉の裏で冬越し体勢に入ったゴマダラチョウと

アカボシゴマダラの幼虫を発見!越冬する生きもの探しが楽しい季節になってきましたね。

活動の様子です。谷底部の林床に降り積もっていた落ち葉を取り除いたことで、春の植物の

発芽が促されるはずですから、成果に期待しましょう。せっかくなので私も一枚、樹名板を

書いてみました(4枚目)。文字や絵はシンプルですが、輪切りのおかげで様になりました。

朝はボタンクサギやウワミズザクラの落ち葉に霜が降り、ずいぶん冷え込んでいたものの、

日中は柔らかい日差しに恵まれ、作業しているとほくほくと芯から温まる感じがしました。

次に訪れるときはどんな景色に変わっているだろう、どんな表情を見せてくれるだろう・・

そんなことを思いつつ、期待を胸に、現場を後にしたのでした。皆さんお疲れさまでした。

おまけ。自然館でイベント「クリスマスのベルスワッグをつくろう!」が開催されました。

長池公園周辺で得られた枝葉や木の実などの自然素材を使って、素敵な作品ができました!


 
 
 

コメント


この投稿へのコメントは利用できなくなりました。詳細はサイト所有者にお問い合わせください。
bottom of page