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ノササゲ

12月2日、里山保全の基礎を学びつつ、実際に市内民有緑地の保全活動を進めてきた

八王子市主催「里山レンジャーズ養成講座(全6回)」の最終回が開催されました。

初年度は全ての回で講師を担当させていただきましたが、私自身も大いに楽しみました。

動植物の多様性向上を主目的とした里山管理に正解はありません。まずはよく調べること、

その上でどうするのが良いかは、皆さんで楽しく議論しながら、あるいは実践しながら、

ベストな方針や方法を決めていきます。講座はいったん一区切りとなりますが、今後も

定期的に集まり、市内のみどりの質の向上に向けた活動を継続していきたいと思います。

作業中、美しいノササゲの実をたくさん見かけました。今年、由木地区ではどうも実付きが

悪く、いつも観察している場所でも見つけることができなかったので、嬉しくなりました。

エンドウ豆風のサヤに包まれたタネは、裂開しても飛び散ることはなく、くっ付いたまま

残っています。サヤとタネが鮮やかな色をしていることからも、自力散布ではなく、小鳥に

食べてもらって遠くへ散布させる作戦なのだと予想できます。いかにも美味しそうな見た目

ですが、見かけだけ。美味しい木の実に擬態して、小鳥の“うっかりつまみ食い”を誘発

しているのでしょう。私は小鳥がノササゲを食べている姿をまだ見たことががありません。

作業後の谷底部の状況です。湿潤で日当たりの良い場所なので、ササに埋もれるようにして

生育するイヌショウマ、サイハイラン、コバギボウシなどの群落が見つかりました。

前回と今回の2回の作業でそれらを救出し、周囲を整備しました。来年はきっと多くの株が

開花してくれるはずです。そして、春にはどんな草花が姿を現すのかも楽しみですね!


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