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雑草の見分け方④

8月31日、緑地の作業や対応を終え、夕方に少し時間ができたので姿池周辺を歩きました。

姿池のほとり、斜面の最下部にはウェットな芝地が広がり、湿地性植物が群生しています。

初夏にはニワゼキショウなどが咲いていましたが、今は青草が繁っているだけです。

でもよく目を凝らしてみると、地味ながらも花を咲かせている一群の存在に気が付きます。

カヤツリグサ科のテンツキの仲間です。この場所には2種類のテンツキが混生しています。

左がテンツキで右がクロテンツキという種類です。一見するとそっくりですね。

テンツキは湿った草地や道ばたで普通に見られる植物ですが、クロテンツキは希少種です。

せっかく一緒に生えているので、両者の見分けにチャレンジしてみましょう。

まずは基本となるテンツキです。深緑色をした茎の頂端から線香花火のように枝を出し、

枝先に小穂(花の集まり)が付きます。小穂は先のやや尖った長卵形で光沢があります。(A)

枝の出るところからは、細長い苞葉(葉っぱ)もピンと飛び出しているのが目立ちます。(B)

さらに、枝の付け根部分をよく見ると、白い毛がわしゃっと生えています。(C)

中には茎全体に毛が生えているものもありますが、個体によってその程度はまちまちです。

次にクロテンツキ。基本的な構造はテンツキと一緒ですが、こちらのほうが小ぶりです。

小穂は光沢の無い黒褐色、テンツキよりも丸っこくて先端は尖りません。(A)

テンツキが線香花火のように四方へ枝を広げるのに対し、クロテンツキの枝は一様に上を

向いているので、小穂どうしがちんまりとまとまっている印象を受けます。

また、苞葉はテンツキと違ってごく短く、ほとんど目立ちません。(B)

加えて、花序枝の付け根や茎には毛は生えておらず、全体につるっとしています。(C)

まとめると、小穂の色と形(A)、苞葉の長さ(B)、花序枝付け根の毛の有無(C)の3つの

ポイントをチェックすれば、テンツキとクロテンツキは確実に見分けられるでしょう。

最初は面倒くさい作業かもしれませんが、見慣れれば一目でわかりますのでご安心を!

一方、体験ゾーンまで足を伸ばすと、田んぼの畔や水田内で別のテンツキ類に出会えます。

1つめは、小穂が細長く、茎を触ると扁平(ぺちゃんこ)なのが特徴のヒメヒラテンツキ。

もう1つは小さな球形の小穂をたくさん付け、株元から扇状に葉っぱを多数出す姿が

独特なヒデリコです。いずれも水田雑草として各地の田んぼで普通に見ることができます。

以上の4種を見分けることができれば、長池公園で見られるテンツキ類は完全制覇です!

由木地区では、先の4種以外にイトハナビテンツキ(別属)、コアゼテンツキ、ヤマイなどが

確認されています。長池公園で基本のテンツキ類をマスターしたあとは、ぜひ他の種類も

探してみて下さいね。見慣れないテンツキ類を発見された場合は、すぐにお知らせ下さい!

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