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東中野公園のシダ

2月26日、長く続いた雨が落ち着き、今度は春の嵐が吹き荒れる一日となりました。

東中野公園に積まれた御影石の一つに着生しているウチワゴケが、水分をたくさん

吸って元気に団扇状の葉を広げていました。(※乾燥するとあっという間に縮れる。)

名前も姿も“コケ”そのもの。しかしながら、維管束を持つシダ植物の一種です。

維管束植物が専門の私はコケにはめっぽう疎いのですが、シダに関しては範疇なので、

不思議なことに、ウチワゴケやクラマゴケなどのシダはちゃんと目に飛び込んできます。

クラマゴケモドキというコケがありますが、こちらは私のセンサーに全く反応しません。

「自然物なら何でも好き!」と口では言いつつ、やれやれ、色眼鏡で世界を見ていますね。

ということで、通りがかる度に注目していたウチワゴケですが、いつもと様子が違います。

チャルメラの形をしたものが葉の縁からニョキっと伸びているのです。さらに拡大すると、

中に棒があって、その周りに芋虫のようなものが巻き付くようにくっついているのでした。

その正体はそれぞれ、チャルメラは苞膜、棒は胞子嚢床、芋虫は胞子嚢ということが

わかりました。シダなので胞子で増えますが、胞子はこの芋虫の中に詰まっているのです。

葉の大きさが小指の爪くらいと、ただでさえ小さいウチワゴケなので、この繁殖器官も

かなりミクロな世界観。どんなに小さくても、寒くても、頑張って生きているんだなぁ・・

シダつながりで、由木周辺では非常に珍しいイワガネゼンマイの現存を確かめてきました。

よく似た普通種のイワガネソウとは、葉脈のラインで見分けます。2枚目の写真のように、

軸から出発した葉脈はそのまま一直線に縁まで向かうか、途中で分岐しても分かれたまま

縁へ辿り着きます。一方のイワガネソウは、葉脈どうしがくっついたり離れたり、まるで

“阿弥陀くじ”のような感じで縁まで迷走。「さよならゼンマイ、こんちわソウ」ですね。

こちらはさらにマニアックなシダ植物です。おそらくフジノキシノブ(ノキシノブ2倍体と

ツクシノキシノブに由来する異質4倍体)か、フジノキシノブを片親とする雑種の系統と

思われます。研究が進み、かつて一括りだったノキシノブは複数の種に分けられています。

正確に見分けるためには、胞子の状態や染色体数を顕微鏡で確認しなければなりません。

こんな話をして、誰が喜ぶのか全く不明ですが、身近な植物もまだまだわからないこと

だらけであり、簡単に名前を特定できないものもある、という奥深さを感じて下さい!

さて、すっかりシダ沼にハマってしまいましたが、この日、私が実際にハマっていたのは

東中野公園の鴨池です。作業チームの皆さんと、池の泥上げ作業に汗を流してきました。

池に堆積した泥土を、土留めの内側にひたすら積み上げて陸地(浅場湿地)を作ります。

3月3日には、子どもたちや地域の皆さんにも、この湿地づくりにご協力いただく予定です。

カエルもトンボもモツゴもカワセミも!みーんな共存できる素敵な池を目指しましょう!

おまけ。池の中から1999年11月発売の携帯電話が出てきました!20年以上も眠っていた?

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