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ルリカミキリと里山フォーラム登壇

6月1日、ふと見上げた自然館前(飲料自販機横)のナシの木の葉裏に、小さなカミキリムシが

止まっているのが目に入りました。遠くて「何だろう?」と思っていると、すぐ目の前に!

正体はルリカミキリでした。カミキリムシというよりもむしろハムシのように見えますね。

バラ科の果樹を食い荒らしてしまう害虫として知られていましたが、果樹園などが身近に

少なくなったことで、一時は数を減らしたといいます。それが近年は道路植栽や庭木として

レッドロビン(セイヨウベニカナメ)を筆頭とするカナメモチ類が各地で用いられるように

なったことで、都市周辺を中心に再び増加傾向にあるそうです。私もレッドロビンの生える

場所で何度か見かけていますが、ナシの木も利用するというのはむしろ初めて知りました。

幼虫は幹、成虫は葉を食べるということなので、今後は食痕も探してみたいと思います。

なお、目が4つあるように見えるのが不思議だったのですが、触角を挟んで複眼がそれぞれ

2つに分離しているということらしいです。「え!?そんなのあり??」という感じです。

こちらは遠くの葉の裏に止まっていた子です。なるほど、主脈に沿って食べていますね。

ルリカミキリの左に見える謎の物体については、別のスタッフが詳しく調べてくれました。

この謎のトゲトゲは、「ナシ赤星病」という病気で植物に寄生した菌類が引き起こします。

秋~春はビャクシンに寄生、初夏にかけてはナシに寄生し、途中で宿主を切り替えるという

不思議な生態を持つため、梨が特産の稲城市でビャクシン類の植栽が禁止されているのは

この病気を防ぐためなのだそうです。やはり、ナシにとってはいいものではないようです。

ところで、今日は午後から明治大学黒川農場で開催された里山フォーラムに登壇しました。

このフォーラムは、総合人間学会2025年第19回研究大会「人と自然の未来」の2日目の

プログラムとして企画されたものです。私からは、話題提供として長池公園の取り組みを

紹介したほか、会場からの質疑に答える形で意見交換を行いました。パネラーの皆さんの

話題提供はそれぞれ興味深く、もっとお互いに聞いてみたいこと、話してみたいことが

あったのですが、時間が限られていたので、今後も引き続き交流していけたら嬉しいです。

会場となった明治大学黒川農場は、周囲が緑と農景観に囲まれたとても素敵な場所です。

久しぶりに訪れましたが、農場までの道のりでは、地域の子どもたちが田植え体験をしに

集まっていたり、アオサギやカルガモがまどろんでいたりと、すっかり癒されたのでした。


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