9月24日、秋の渡り鳥の通過シーズンに突入し、そわそわし始めています。
昨年はエゾビタキの集団やアマツバメの渡りが観察されましたが、今年はどうでしょう?
さて、昨年のちょうど今頃、南大沢駅近くの花壇で見慣れない植物が多数確認されました。
この花壇は事情があって雑草畑状態になっており、その中には、由木地区では新産となる
外来植物(国内外来種)もいくつか含まれていたのでした。今年は花壇がリニューアルされて
もう見ることはできませんが、一時的に発生していた珍植物をいくつか振り返ってみます。
まずはタマザキフタバムグラという熱帯地方原産のアカネ科の植物です。
日本に自生するフタバムグラは1本の花柄の先に1つの花を付けますが、こちらは名前にも
あるとおり、花柄の先に数本の枝を出して(集散花序)その先に複数の花を咲かせます。
続いてはトウダイグサ科のニシキソウ類の一種、コバノニシキソウという植物です。
ニシキソウの仲間はいくつかありますが、本種は植物体がもっとも小さくて目立ちません。
他種との違いは果実や茎などに毛が全く無く、茎の途中から発根して這いまわることです。
6枚目の写真は茎の途中から根を下ろしている様子で、根の付く部分が地面に張り付いて
いるため、植物体を適当にわしづかみにして引っ張ってみても、綺麗に抜けません。
コバノニシキソウよりもさらに小さく、コケの一種かと見過ごしてしまいそうなこちらは
アメリカアワゴケです。在来種のアワゴケと同じような湿った土の上に生えますが、
葉が細長く、葉腋の果柄が明瞭である点で見分けられます。小さくて撮影も一苦労!
その他の出現種です。コゴメミズ、コケミズ、コアゼテンツキ、どれも国内に自生します。
こうした見慣れない雑草が集中的に発生している要因は、花壇の園芸用土(培養土)に
含まれていた東南アジア産ヤシ殻堆肥に、これら外来種の種子が混入していたのだと推測
されます。この現象については、「日本帰化植物写真図鑑第2巻」のコラムでも言及されて
います。加えて、この花壇の除草が行われなくなり、周囲のナガエコミカンソウや
クルマバザクロソウなどとともに、いつしか脇役である雑草たちが幅を利かせるように
なったとみられます。ルーツはどうであれ、珍植物の数々に、駐車料金なんてちっとも
気にならず、何回も駅前自然観察に通ったのでした。またどこかで会えるかな・・?
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