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セキレイたちの夜

7月14日、南大沢駅方面への用事があり、帰りにハクセキレイのねぐらへ寄ってみました。

パオレビルの屋上とそのそばにあるイチョウ並木です。この場所は、かれこれ25年以上も

ねぐらとして使われており、街並みが変化してもなお、ねぐらが形成され続けています。

野鳥が集団ねぐらを作るのは主に夏から秋にかけてで、成鳥だけでなく巣立ち後の若鳥も

多く混ざっているので賑やかです。カラスが府中カントリークラブや野猿峠など、人目の

少ない森の中へ帰っていくのとは反対に、セキレイやスズメ、ムクドリなどは駅前など

夜でも人通りのある雑踏の上に集まって眠ります。人を利用しているのが面白いですね。

ねぐらのある場所に着いたのはまだ明るい時間でしたが、そこが今でもねぐらとして

利用されていることはすぐにわかりました。足元に彼らの羽や糞が落ちていたからです。

1枚目の写真の羽は2色の対比がとても綺麗ですが、じつはちょっと珍しい部位の羽。

翼のもっとも体に近いほう側にある三列風切のうち、体側から数えて3枚目にあたります。

三列風切は片方の翼に3枚ずつ、全部で6枚しか無い羽ですが、大きくて存在感があります。

ハクセキレイの飛翔写真があったので、三列風切を赤印で示してみました。見えますね!

これらの羽は、胴体と翼を滑らかなラインで結び、空気の抵抗を抑える役割があることが

知られています。飛翔能力の高いセキレイにとってもきっと大事な6枚に違いありません。

話を戻すと、この日はねぐら入りにはまだ時間が早かったので、羽だけ拾って帰りました。

ハクセキレイの集団ねぐらは由木地区内だけでも複数箇所あり、街路樹や街灯、建造物の

隙間など様々です。ずっと使われている場所もあれば、強剪定や工事などによって姿が

見られなくなった場所もあります。最近、京王堀之内駅付近で新たにセキレイのねぐらを

見つけましたが、このねぐらの主はハクセキレイよりも個体数の少ないセグロセキレイで

あることがわかったので、ねぐら入りのカウントや羽拾いにも出かけてみたいと思います。

(写真1・2枚目は八王子駅北口、3枚目は多摩ニュータウン通りのハクセキレイのねぐら。)


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