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カセンソウのアーバニズム

6月23日、多摩センター駅近くの法面草地の一角で、キク科のカセンソウを見つけました。

見た目が華やかなので、植栽された園芸種だと思って見過ごしてしまうところでした。

カセンソウは、東京都の絶滅危惧種(南多摩EN)にも指定される希少な草原性植物です。

古い資料などを調べてみると、かつては多摩丘陵周辺にも広範囲に分布していたようです。

「茅場」や「採草地」などの半自然草地や、谷戸田の周囲に見られる「裾刈り草地」など、

かつての里山には良質な草原があちこちにあり、刈り取りによって維持されてきました。

人々の暮らしの変化による耕作放棄地の増加や住宅開発により、こうした草原環境は激減。

あわせて、カセンソウをはじめとする草原性植物もいつしか姿を消してしまったのです。

それがなぜこんなところに?・・じつは多摩ニュータウンでは珍しいことではありません。

つい先日(6/20)、別所一丁目の道路沿いでもカセンソウの生育が確認されました。

情報をいただいて現地へ見に行ってみると、ガードレールの下のアスファルトの隙間から

ひょろりと伸びており、拍子抜けしてしまいました。まさに“神出鬼没”という感じです。

私が由木地区内で初めてカセンソウを確認したのは今から15年前のこと。南大沢駅近くの

造成草地に群生していましたが、間もなく、生育地は開発工事によって消失しました。

その後、2017年には九兵衛坂公園の伐採跡地に突如として発生し、しばらくぶりの確認と

なりました。高圧電線直下の樹木の一斉伐採が行われた翌年のことであり、樹林内の環境が

変化したことにより、地中に眠っていた種子(埋土種子)が発芽してきたと推測されます。

この場所は刈り残しや周辺の手入れを継続しており、現在も生き残ってくれています。

これまでの経緯を振り返ってみると、開発の進んだ多摩ニュータウンエリアにおいては、

かつてカセンソウが群生していたような自然の草地はすでに失われてしまったものの、

造成工事によって一時的に生じた草原や道路の隙間、伐採跡地などに居場所を見出し、

命を繋いでいることがわかります。このことは、ルーツこそ異なるものの、以前の記事で

取り上げたニシキソウやノニガナの都市適応と似ています。植物の「そう簡単に絶滅して

たまるか!」という声が聴こえてくるようです。今後の動向に注目していきたいですね!

話が大きくなってしまったので戻しましょう。冒頭でカセンソウを見つけた多摩センターの

法面草地には、シベリアメドハギやカワラナデシコ、ヤマモモソウなども生えていました。

これらは緑化用に種子が撒かれたか、土などに紛れて帰化したものがほとんどでしょう。

3枚目は、駅前の中央分離帯や植え込みに生えているマツバゼリというセリ科の植物です。

主に暖地に帰化する雑草で、南多摩では滅多に見かけません。もし出会ったら、ぜひ匂いを

嗅いでみて下さい。セロリのような、何ともいえない独特な臭気がするはずですよ!

ということで、電車の乗り換えついでに“道草”をちゃっかり楽しんでしまったのでした。

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