姿池のコシオガマ
10月10日、姿池の周囲を取り囲む斜面草地の一角、東京海上日動多摩総合グラウンド側の階段付近に、希少植物の
コシオガマがたくさん発生し、開花しています。長池公園ではこれまでにも体験ゾーンの伐採跡地などに何度か出現
したことがあるにはあるのですが、消長が激しく、安定して必ず見られるということはありません。今回の場所は、
桜美林大学が刈り取りの有無や頻度による植生の違いを調査するために、夏場に選択的草刈りを行ったエリアです。
姿池斜面の刈り残しは、主に草原性の生きものに居場所を提供する目的で進めてきましたが、タイミングを見極めて
草刈りを行うことで、コシオガマやツリガネニンジンなどの在来植物の再生も期待できるとわかり、驚いています。
細かく切れ込んだ葉っぱは独特ですが、他の草に紛れていると目立ちません。触ると少しべとつくのも特徴ですね。
大きいものでは膝の高さくらいまで伸長して、ピンク色の花をいくつも咲かせていました。この仲間の大半の種類は
山地から高山に分布するものばかりなので、唯一、丘陵地でも見ることができるコシオガマはありがたき存在です。
花を観察していたら、どこからともなくウラナミシジミが飛来して吸蜜を始めました。コシオガマの花の中央にある
二筋の白いラインは、おそらく、訪花昆虫に蜜の在り処を教えるガイドマーク的な役割を果たしているのでしょう。
さて、そんなコシオガマが群れ咲く草むらの向こう側では、ススキの穂が心地よく風に揺られています。背景に写る
長池見附橋は、つい先日、(公社)土木学会が選定する令和8年度「選奨土木遺産」にめでたく認定されたばかりです。
大正2年につくられ、平成5年に四谷見附から現在の長池公園内に移設・復元された長池見附橋。街のシンボルとして
長池公園とともに多くの市民に親しまれてきました。その歴史的・技術的な価値の大きさを地域の皆さんにも知って
いただき、未来へ語り繋いでいけたらと思います。名脇役ともいえるススキの原っぱにも目を向けてみて下さいね。



