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コナラシギゾウムシとシロアシマルハバチ

5月1日、雨の一日。今日は朝から夕方まで、シュレーゲルアオガエルの笑い声をBGMに、

会議とデスクワークをして過ごしました。来館者がいると嬉しくなり、会話も弾みます。

ところで、皆さんはコナラのどんぐりを拾ってきたら、小さな穴が開いていて中から幼虫が

出てきたこと、ありませんか?これはゾウムシの仲間、コナラシギゾウムシのしわざです。

メスはながい口吻(こうふん)でどんぐりに穴をあけ、その中に卵をうみます。中身を食べて

育った幼虫は、外に出て越冬した後に蛹となり、羽化します。大人のコナラシギゾウムシは

なかなか見ることができませんが、昨日、自然館のスタッフが見つけてきてくれました!

干潟などで見られるシギ類の嘴に似ていることからシギゾウムシと名付けられています。

こちらは以前、韓国で撮影したホウロクシギの写真です。本当に同じ形をしていますね!

ホウロクシギは、干潟にある巣穴の中に棲むカニを食べるために長い嘴を持っています。

日常の食事のために使う嘴と、自ら穴を開けて産卵するための口吻。目的は全く違うのに、

外見がそっくりだなんて!でも、口を器用に使いこなしているという点は一緒かも・・

話は変わりますが、自然館中庭でハンノキの萌芽枝の葉を食べまくって丸裸にしている

イモムシがいます。正体はハンノキの葉を食べて育つシロアシマルハバチの幼虫です。

来館者からこのイモムシの名前を知りたいと質問があったそうで、実物を見てきました。

お顔を拝見してビックリ!・・シマエナガ風のつぶらな表情が可愛くてたまりません!

同じように白っぽい物質に覆われたイモムシがいくつかいて、ミズキにはアゲハモドキ、

ゴマギにはババシロアシマルハバチがいます。どれもなかなかの食いっぷりなので、

樹木を楽しみたい私たちにとっては害虫以外の何者でもないのですが、こんな一面を

知ってしまったら、もはやこれまでのように目の敵にはできなくなってしまいそうです。

イモムシ観察に夢中になっていると、その奥でシロバナカザグルマ(植栽)が花盛りでした。

こんなに大きくて派手なクレマチスが日本の在来種だなんて、私には不思議でなりません。

今年、これまででもっとも多くの花を咲かせたアーモンドには、果実ができていました。

予想どおり、果実もたくさん!しかしよく見ると、果実のうち全体の半分くらいには、

写真のような大きめの穴が開けられていて、中身がくり抜かれているではありませんか。

いったい誰のしわざでしょうか?ネズミ?それとも鳥?ご存じの方はぜひ教えて下さい。

おまけ。マツバスゲの細い花茎の先端に止まったキイロテントウ。絶妙なバランスです!

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