トビイロカミキリ
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6月17日、講師の仕事で高尾駅から徒歩10分ほどの距離にある初沢山を歩いてきました。八王子市内では、もっとも
手軽にハイキングが楽しめる低山の一つです。植生は多摩丘陵と高尾山麓のちょうど中間といった様相で、里山植物
だけでなく低山地性の種類も数多く観察できるほか、分布の限られるランヨウアオイの自生地としても知られます。
沢沿いでは、普段はあまり見かけない生きものたちとの出会いが待ち受けていました。いくつか印象に残った種類を
ご紹介します。まずは、どこからか飛んできて参加者の服に止まったトビイロカミキリです。赤褐色の体に黒い脚の
組み合わせが味わい深いカラーリング。コゴメウツギ、クリ、クマノミズキなど様々な樹木の花で蜜や花粉を食べる
そうですが、幼虫の食草はクスノキ科の樹木とのことなので、付近に生えるアブラチャンで発生したのでしょうか。
足もとの葉の上でお亡くなりになっていたのは、美しいアオカミキリです。ラメを塗したかのようにキラキラと輝く
背中もさることながら、本種は胴体がナガタマムシの仲間のような青色であったことを思い出し、そっとエリトラを
広げてみました。息絶えてしまっていたのは残念ですが、じっくり堪能することができました。(※自然館で展示中)
陽だまりにはミスジチョウ。長池公園でおなじみのコミスジよりも一回り大きく、翅の模様が少し異なっています。
高尾天神社周辺の雑木林は伐採材や朽木が多く、様々な甲虫が集まっていました。雨上がりで湿度が高かったためか
キノコムシやゴミムシダマシの仲間が目立ちました。写真はマルセルエグリゴミムシダマシという種類のようです。
その他の昆虫です。エサキモンキツノカメムシ、アカアシカスミカメ、ベニボタルの一種、モンキゴミムシダマシ、
ヒメトラハナムグリ、ヌスビトハギチビタマムシ、ナナフシモドキ、イノコヅチカメノコハムシ、テントウムシsp.、
カノコガ。出先でも公園で鍛えた昆虫探索眼が大いに役立ちます。基本的には食草探しと葉めくりの繰り返しです。
植物も一部ご紹介します。順にナツハゼ、ムラサキニガナ、ウリカエデ、スノキ(花・実)、オオバノアマクサシダ、
オオバノアマクサシダ(幼株)、オオバノハチジョウシダです。市内では産量の少ないスノキの生育が特筆されます。
高尾周辺や八王子城跡ではクマの目撃情報があり、距離は離れているものの、不安が無かったわけではありません。
念のため森の奥へは入らずに観察を行いました。クマやマムシなどの危険生物には遭遇しませんでしたが、代わりに
無毒の穏やかなヘビに出会いました。ヒバカリです。“噛まれたら命はその日ばかり”の語源とは裏腹に大人しく、
このように手で拾い上げても全く噛もうとしません。しかしさすがに手で持ち上げられるのは迷惑だったようです。
逃がしたあとの手には、ヒバカリがストレスを感じて発したと思われる悪臭がしっかり残っていました。これがまた
臭くてたまらないので、流水代わりに、近くに生えていた逸出のニッケイの葉を揉んで匂いを上書きしたのでした。
距離は歩いていませんが、梅雨の晴れ間の散策は、次から次へと観察対象が現れてくれる贅沢な時間となりました。
季節やコースを変えて何度でも歩きたくなる初沢山。少し気分を変えて山の動植物に出会いたい方におすすめです。































































