5月8日、長池公園のあちこちで見られるヤマグワの枝や葉に、こんな虫がいます。
葉っぱにくっついた鳥の糞のようにも見えますが、この虫はクワコの幼虫です。
私たちにも馴染み深い「カイコ(蚕)」の原種といわれています。
カイコの起源は古く、5000年以上も前に中国産のクワコから生み出されたのだとか。
飛ぶことができず、人の手無しには生きられないカイコに対し、野生のクワコは
飛び回ることができ、もちろん自力で生活しています。食草はどちらもクワの葉です。
ところで、クワコが鳥の糞のように見えるのは、たまたまではありません。
彼らは天敵の小鳥たちに見つからないよう、小鳥の糞のフリをしているのです。
小鳥の糞には、尿酸の白いコーティングがあり、幼虫の白い模様はそれを再現している
ように見えます。一方、枝に止まっている時にはクワの枝にそっくりではありませんか。
葉上では糞に、枝上では枝に化け、さらには、緊急時は胸部の目玉模様を膨らませてヘビの
フリまでするというから驚きます。孵化した後、無防備な状態で育つイモムシたちは、
それぞれが、天敵から身を守るための知恵や工夫を身に付けているのですね。
皆さんも、ヤマグワを見かけたら、ぜひ鳥の目になってクワコの幼虫を探してみて下さい!
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